1997 Fiscal Year Annual Research Report
生体分解性高分子強膜プラグによる硝子体内薬物放出制御システムの開発
Project/Area Number |
09557137
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (70191963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 淳稔 参天製薬眼科研究所, 眼科動態研究グループ, グループ長
尾関 年則 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (60254299)
玉井 一司 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (40188412)
白井 正一郎 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (30080063)
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Keywords | 生体分解性高分子 / ポリ乳酸 / 5-フルオロウラシル / 硝子体 |
Research Abstract |
我々は、代謝拮抗剤である5-Fluorouracil含有する生体内分解性高分子から成る硝子体内薬物放出制御システム(強膜プラグ)を調製し、その薬剤徐放性をin vitroおよびin vivoの両面から検討した。また、実験的家兔増殖性硝子体網膜症モデルを用い、薬効評価も併せて検討した。 生体内分解性高分子であるポリ乳酸(分子量20,000)を基剤として5-FUを15および25%含有させた強膜プラグを押出成型後切削加工することにより調製した。in vitroにおける5-FUの溶出は、4週間にわたり持続した。次に、25%含有強膜プラグを硝子体切除手術を施行した家兔毛様体扁平部に移植し、硝子体、網脈絡膜、水晶体および前房水中5-FU濃度を高速液体クロマトグラフィーで経時的に定量した。また、移植した強膜プラグの分子量変化をゲルろ過クロマトグラフィーで併せて評価した。硝子体中においては2週間にわたり有効濃度を維持し、網脈絡膜においては4週間以上にわたり持続した。一方、前房水および水晶体においては一過性に5-FUが検出されるものの、直ちに消失した。また、非硝子体切除眼においても同様の検討をしたところ、同様の移行性を示したものの有効濃度の持続期間が若干長くなった。硝子体切除眼と非硝子体切除眼における強膜プラグの分子量変化を比較すると、硝子体切除眼の分解が非硝子体切除眼よりも加速された。 次に、移植後の電気生理学的な網膜毒性評価において、毒性所見は認められなかった。 線維芽細胞を硝子体に注入した実験的家兔増殖性硝子体網膜症モデル眼に25%含有強膜プラグを移植したところ、コントロール眼に比べ牽引的な網膜障害を遅延させることができた。 以上より、生体内分解性高分子強膜プラグは網膜毒性の高い5-FUを硝子体内で毒性の発現しない有効濃度を長時間持続し、実験的家兔増殖性硝子体網膜症モデル眼で十分な薬効を示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hashizoe M, et al: "Biodegradable polymeric device for sustained intravitreal release of ganciclovir in rabbits" Currene Eye Research. 16. 633-639 (1997)
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[Publications] Miyamoto H, et al: "Biodegradale scleral implants for intravitreal controlled release of fluconazol" Currene Eye Research. 16. 930-935 (1997)