1997 Fiscal Year Annual Research Report
Bruxismの新しい診断装置の開発と歯周組織破壊のメカニズムの解明
Project/Area Number |
09557149
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 煕 北海道大学, 歯学部, 教授 (60001020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 淳 北海道大学, 歯学部, 助手 (70271690)
菅谷 勉 北海道大学, 歯学部, 助手 (10211301)
岩並 知敏 北海道大学, 歯学部, 助手 (70184893)
坂上 竜資 北海道大学, 歯学部附属病院, 助手 (50215612)
本郷 興人 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (80199562)
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Keywords | Bruxism / 歯周病 / 咬合性外傷 / Bruxism記録装置 / オクル-ザルスプリント / ファセット |
Research Abstract |
Bruxismの電気生理学的診断装置の開発改良と、Bruxismによる歯周組織破壊のメカニズムを解明する目的で研究を行い次の成果を得た。 実験1.Bruxismの診断装置の開発と臨床診断法の確立 (1)患者が自宅で夜間睡眠中のBruxismを電気生理学的に記録できる装置として、コードレスでオールインワン型の小型Bruxism記録装置を新たに開発中である。この装置は筋肉の活動電位と、咬合接触により生じる加速度計の電位変化を、ロジック化して2つを総合的に判定することによって、一定時間内の筋活動時間や筋活動量を検出する。現在試作品を完成し、さらに集積度を上げるためCADを用いて回路設計・基盤設計を行っており、多層基盤上に小型のチップ部品を実装する方針である。 (2)Bruxismの臨床的な診断法として患者にオク-ザルスプリントを一定期間装着し表面に生じるファセットの程度を観察して診断する方法を発表してきたが、本年度はファセットの深さを3次元ディジタイザーにて読みとる方法を確立し、その深さと体積の経時的変化をコンピュータ上で計算し信頼性の高いデータ収集をしている。さらに同じ被験者に前記の電気生理学的診査法を行うことにより、客観性のあるBruxismの臨床的診断法が確立できると考えられる。 実験2.Bruxismによる根分岐部の歯周組織破壊のメカニズムの解明 実験動物にサルを用い、絹糸緒紮法を用いて大臼歯の歯頚部歯周組織に軽度と重度の炎症を誘発し、さらに5週間外傷力を付与し、根分岐部病変の発症と進行の状態を臨床的、病理組織学的に検索した。その結果、歯根分岐部には、炎症と外傷が合併した群は炎症のみの群より著しい歯槽骨の吸収と歯根セメント質の吸収が見られた。とくに重度炎症と外傷力が合併した群では線維の破壊が著しく進行し、歯肉の炎症性細胞は歯根膜や歯槽骨に接近した状態となっており、さらに線維が破壊減少すると炎症が歯根膜にも波及するのではないかと考えられた。
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[Publications] 大森広雄, 池田雅彦, 加藤 煕: "大臼歯の根分岐部病変に及ぼすブラキシズムの影響に関する臨床的研究" 日本歯周病学会会誌. 39(4). 456-466 (1997)
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[Publications] Liang Jia Bi, Hideya Oka, Ryuji Sakagami and Hiroshi Kato: "Periodontal Destruction with Experiental Periodontitis and Traumatic Occkusion in Monkeys" Journal of Periodontology. 68(4). 397 (1997)
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[Publications] Ryuji Sakagami and Hiroshi Kato: "A Nocturnal Study of a Newly Developed Bruxism Monitoring Device" Journal of Periodontology. 68(4). 415 (1997)
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[Publications] 菅原哲夫, 池田雅彦, 畢 良佳, 加藤 煕: "オクル-ザルスプリントを用いたBruxismの臨床診断-Bruxismの強さと下顎運動の特徴-" 日本歯周病学会会誌. 39(秋季特別号). 82 (1997)