1997 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質に対する接着安定性に優れた歯科用レジンの創製と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
09557151
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 宣男 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (30014020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 昭彦 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (30126263)
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (90280990)
石原 一彦 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (90193341)
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Keywords | 歯科用材料 / 接着 / 樹脂含浸象牙質 / コラーゲン / ハイドロキシアパタイト / メタクリレート / 生体組織 / 歯質 |
Research Abstract |
本研究は組成が明らかで再現性良く象牙質に接着できる光硬化性の接着性レジンを確実に提供することに有り、これを通して象牙質への接着のメカニズムの理解することであるる。本研究においえては、4-META/MMA-TBBレジンの研究を行ってきた間に得あられた情報を最大限に活用して、光重合性の接着性レジンを開発しようとするものである。本研究では、1)スミヤ-層を脱灰剤で除去する条件、2)脱灰後の象牙質の水洗乾燥の条件、3)健全象牙質の上を被っている脱灰象牙質の状態を精査し、脱灰象牙質の中に多くのモノマーを拡散させる条件、4)脱灰象牙質の中に拡散したモノマーを確実に重合させる光重合触媒系を探索することにある。1)について4-META/MMA-TBBレジンの実用化に成功した時に利用した3%塩化第二鉄を溶かした10%クエン酸(10-3)を10秒間利用した。2)水洗後乾燥した。10-3によりスミヤ-層を除去するため3)省略できると考えた。4)20%2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレートと2%4-METAを溶かした20%HEMA水溶液を1-3回塗布し、塗布後に60秒間放置後表面に残存する液成分を脱脂綿で軽く吸い取り、次ぎの塗布を行った。最終回は気銃で乾燥し、歯科用の可視光線照射器を利用して30秒間照射した。5)4)の溶液に1%カンファーキノンと0.5%N-フェニルグリシンを溶解する。ボンディング材硬化後に光硬化型歯科用コンポジットレジンを盛り上げ、常法により引張り試験を行い接着性能を確認した。接着試験とあわせて、モノマーが脱灰象牙質の中に拡散した後に、重合し、樹脂含浸象牙質が生成している様子を、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)で調べ、試作接着システムの機能を、4-META/MMA-TBBレジンの場合と比較した。
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