1997 Fiscal Year Annual Research Report
水熱・電気化学的合成による金属表面の生体活性化処理
Project/Area Number |
09557159
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
伴 清治 愛知学院大学, 歯学部・歯科理工学講座, 講師 (10159105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬飼 順子 愛知学院大学, 歯学部・口腔衛生学講座, 非常勤講師
有本 憲弘 愛知学院大学, 歯学部・歯科保存学第1講座, 講師 (20291768)
鶴田 昌三 愛知学院大学, 歯学部・歯科理工学講座, 講師 (40183488)
丸野 重雄 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60024204)
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Keywords | 歯科インプラント / リン酸カルシウム塩 / 電気化学 / コーティング / ハイドロキシアパタイト / 炭酸アパタイト |
Research Abstract |
平成9年度は200℃までの水熱・電気化学的合成を行い、析出したリン酸カルシウム塩粒子の形態観察および状態分析を行ない、合成条件と析出結晶との関係を評価した。 電解液は従来より用いている疑似体液よりマグネシウムを除いた組成を用い,電流は1〜10mA/cm^2にし、水熱合成器(耐熱耐圧瓶)を用いて電解液温度は80〜200℃で、電解時間は1時間とした。試料電極には幅20mm、高さ20mm、厚みの0.5mmの純チタン板、純ニッケル板、純亜鉛板、純鉄板、ステンレス板を用いた。表面析出物の状態分析はX線回折(XRD)、赤外分光分析(FTIR)、走査型(SEM)および透過型(TEM)電子顕微鏡観察により行なった。 純チタン板以外の基板では電解液温度が150℃以上になると、析出物はハイドロキシアパタイト以外のリン酸3カルシウムなどの結晶相が混在しており、基盤から溶出したイオンが析出物中に取り込まれるため、Ca/Pが変化したことによるものと考えられた。したがって、以降の実験は純チタン板でのみ行った。 電解液温度を変えた実験では、150℃での針状のハイドロキシアパタイト結晶析出量が最も多く、また最もc軸の配向性が大きかった。これは電解液温度の上昇によるリン酸カルシウム塩の溶解度の減少とph上昇の抑制という相反する作用の相互効果によるものと考えられた。一方、SEM、XRDおよびFTIRを用いた状態分析結果より結晶性および大きさは電解液温度の上昇に伴い大きくなり、200℃では幅7μm、長さ240μmと比較的大きい結晶が得られた。また、TEMおよび電子線回折より針状結晶はハイドロキシアパタイト単結晶であることが確かめられた。したがって、水熱・電気化学的合成は比較的大きいハイドロキシアパタイト単結晶を基板上に密に配向・析出させるのに適する方法であると判断された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Seiji Ban: "Effect of electrochemically deposited apatite coating on bonding of bone to the HA-G-Ti composite and titanium" J.Biomedical Material Reseach. 36/1. 9-15 (1997)
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[Publications] "BMPを付与した電気化学的表面改質TiおよびHA-G-Ti複合材料の硬組織中での骨形成能" 歯科材料・器械. 16(5). 374-381 (1997)
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[Publications] 伴清治: "BMPを付与した電気化学的表面改質TiおよびHA-G-Ti複合材料の骨形成能" J Hard Tissue Biol.6(2). 51-57 (1997)
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[Publications] Seiji Ban: "Morphology and microstructure of electrochemically depositied calcium phosphates in a modified simulated body fluid" Biomaterials. 19(in press). (1998)