1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09557163
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (70161049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井田 新一郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10114745)
宮本 謙一 金沢大学, 薬学部, 教授 (30100514)
藤沢 隆一 北海道大学, 歯学部, 助手 (40190029)
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Keywords | 骨 / 薬物輸送法 / FITC |
Research Abstract |
全身投与した場合の薬物の多くは骨組織への移行性が悪く、骨疾患の薬物治療に困難性がともなうことが多い。骨組織に選択的に薬物を輸送することが可能となれば、骨以外の組織における薬物の副作用を軽減することが可能であり、骨疾患に対する薬物治療の大きな前進を期待することができる。ハイドロキシアパタイト(HA)は硬組織(骨・歯)以外の組織には存在しないことから、薬物にHA選択性を持たせることにより骨組織に薬物を選択的に輸送することが可能となる。骨に存在する非コラーゲン性タンパクには、産生アミノ酸(AspあるいはGlu)の繰り返し配列構造があり、この繰り返し配列構造部がHA結合部位と考えられている。そこで、酸性アミノ酸が繰り返し配列した小ペプチドを、骨組織への薬物の選択的輸送法のキャリアーとして用いる可能性について検討した。Aspの6回繰り返し配列(Asp)_6にfluorescein(FITC)を結合させた(Asp)_6-FITCを作製し、HAに対する結合試験おこなった。(Asp)_6-FITCは全身投与すると骨組織に沈着することが知られているテトラサイクリン・カルセインと同程度にHAに結合したが、FITCはHAに結合しなかった。(Asp)_6-FITCをラットに投与し血中濃度を測定したところ、(Asp)_6-FITCの血中濃度の急速な減少が観察された。(Asp)_6-FITCを投与したラットの骨および歯の研摩標本を作製し、共焦点レーザー顕微鏡で観察したところ、骨および歯に明瞭な蛍光標識線が見られたが、その他の組織においては蛍光が観察されなかった。一方、FITCを投与したラットにおいてはどの組織においても蛍光は観察されなかった。これらの結果より(Asp)_6は骨組織への選択的薬物輸送法のためのキャリアーとして有効であることが示唆された。
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[Publications] Kondo H., Ohyama T, Ohya K Kasugai S: "Temporal changes of mRNA expression of matrix proteins and parathyroid hormone and parathyroid hormone related protein receptor in bane development" Journal of Bone and Mineral Research. 12. 2089-2097 (1997)
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[Publications] Miyamoto K, Waki Y, Horita T, Kasugai S, Ohya K: "Reduction of bone loss by denbufylline,an inhibitor of phos phodiesterese 4" Biochemical Pharmacology. 54. 613-617 (1997)
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[Publications] Sawanishi H et al.: "Selective inhibitors of cyclic AMP-specific phosphodiesterase : Heterocycle-condensed puurines" Journal of Medical Chemistry. 40. 3248-3253 (1997)