1998 Fiscal Year Annual Research Report
変形性顎関節症における下顎頭吸収機序の解明と治療法の探求
Project/Area Number |
09557176
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
丹根 一夫 広島大学, 歯学部, 教授 (30159032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 栄二 広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (40273693)
杉山 拓紀 広島大学, 歯学部, 助手 (10294571)
村上 賢一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00174269)
柴田 考典 山形大学, 医学部, 助教授 (60147220)
加藤 幸夫 広島大学, 歯学部, 教授 (10112062)
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Keywords | 顎関節 / 変形性顎関節症 / 下顎頭吸収 / 滑液 / 下顎頭軟骨 / 機械的負荷 |
Research Abstract |
最近の歯科医学分野において注目される疾患として顎関節症が挙げられる。臨床においても、さまざまな症状を有する顎関節症の本質、原因、治療法に関する検討が重ねられてきた。顎関節症にはさまざまな疾患が含まれるが、その中の変形性顎関節症はその症状や病態が重篤で、顎顔面領域にさまざまな影響を及ぼすため、特に関心が寄せられている。 本研究において、変形性顎関節症の発現を一般母集団で調査したところ、若年成人における発現率がかなり高いことが示された。そこで、これらの患者群を対象として、形態計測学的、生体力学的、組織化学的、生化学的検討を行った結果、変形性顎関節症患者の形態的特長、下顎頭軟骨の機械的負荷に対する応答性、生化学的診断指標の有用性などが明らかとなった。とりわけ、下顎頭軟骨におけるCMP反応と尿中ビリジノリン、デオキシビリジノリン比が被験者群で高いことが明らかとなった。また、これらの知見に基づいて矯正歯科治療を適応した患者群において、適切な治療体系を用いることが下顎頭、とりわけ関節軟骨の適応反応を引き出すことにつながることが明らかとなり、新たな治療体系の確立のめどが達成された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tanne,K.: "Differntial diagnosis and therapeutic cues for orthodontic patients with various stages of TMJ internal derangement" J.Taiwan Assoc.Orthod.9. 12-18 (1997)
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[Publications] 田中栄二,他: "圧縮試験によるイヌ顎関節円板の性状に関する生体力学的研究" 日顎誌. 9. 152-159 (1997)
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[Publications] 杉山拓紀,他: "顎関節内障患者における下顎頭位と関節円板前方転位および円板形態との関連性 : 軸位補正矢状断層X線写真とMR画像を用いた比較検討" 日顎誌. 9. 439-449 (1997)
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[Publications] 小澤奏,他: "歯科矯正治療中に下顎頭の著しい形態変化を呈した変形性関節症の1例" 日顎誌. 9. 1-8 (1997)
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[Publications] 野々山大介,他: "顎変形症患者における顎関節病態と顎顔面形態との関連性" 日顎変形誌. 8. 57-66 (1998)
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[Publications] 谷本幸太郎、他: "顎関節疼痛を有する患者における尿中ビリジノリン、デオキシビリジノリンの定量" 日顎誌. (印刷中). (1999)