1998 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛フィンガー型DNA結合蛋白質の機能変換と人工リプレッサー開発への展開
Project/Area Number |
09557200
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
杉浦 幸雄 京都大学, 化学研究所, 教授 (40025698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 恭史 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (20283666)
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Keywords | 亜鉛フィンガー / DNA認識 / 転写因子 / 人工リプレッサー / 分子設計 / ゲノム情報 |
Research Abstract |
多くの転写因子のDNA結合領域に存在する亜鉛フィンガーと呼ばれるユニークなDNA結合モチーフを用いた任意塩基配列結合タンパク質の創製、およびDNAの湾曲を人為的にコントロールする亜鉛フィンガー蛋白質の創製を目指し、遺伝子からの転写をコントロールできる「人エリプレッサー」分子9構築を計画した。まず、亜鉛フィンガー蛋白質SplのN末端側にDNA切断部位として新たにグリシルグリシルヒヌチジンを導入し、制限酵素様機能を与えることに成功した。次に、ヒトゲノム中で確率的に1度しか出現しない30塩基対程度の非対称のDNA認識を達成するため、Spl由来の亜鉛フィンガーモチーフを9つ導入した新規人工蛋白質を創製し、DNA結合特性を検討したところ、期待通り9つの亜鉛フィンガーがすべてDNA結合し関与して、約30塩基対を特異的に認識していることが判明し、長い塩基配列を認識する分子の合理的設計に大きな道を開いた。さらに、亜鉛フィンガー型転写因子Spl由来のDNA湾曲とSplの転写との関連研究から、DNAの湾曲を制御する分子の創製がはかられ、異なった数のポリグリシンを介して2個のSpl分子を連結させた新規蛋白質がつくられ、若干の蛋白質はDNA湾曲を誘発することが明らかになった。任意の認識配列をもつDNA結合蛋白質を構築するため、′SAAB法による最適認識配列をもつ新規亜鉛フィンガー蛋白質の探索についても追究中で、人工リプレッサーとしての展開がはかられている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Yokono: "Unique DNA Binding Mode of the N-Terminal Zinc Finger of Transcription Factor Spl" Biochemistry. 37・19. 6824-6832 (1998)
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[Publications] T.Kamiuchi: "Artificial Nine Zinc-Finger Peptide with 30 Base Pair Binding Sites" Biochemistry. 37・39. 13827-13834 (1998)
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[Publications] 今西未来: "新規亜鉛フィンガータンパク質の創製" 化学. 53・7. 72-73 (1998)