1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09557201
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今西 武 大阪大学, 薬学部, 教授 (40028866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小比賀 聡 大阪大学, 薬学部, 助手 (80243252)
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Keywords | ヌクレオシド類縁体 / オリゴヌクレオチド誘導体 / アンチセンス核酸 / 化学合成 / カテオン性脂質 / リポソーム / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
これまでに我々は、リン酸ジエステル結合のかわりにカルバメート結合でヌクレオシド間を結合したダイマーアナログ等をはじめ、数種類の新しい核酸類縁体を合成してきた。本年度は、これらに加えてヌクレオシドのコンホメーションを固定化した新規なヌクレオシド類縁体の合成を行いこれに成功した。これら新規なヌクレオシド類縁体の構造に関しては、^1H-NMRの詳細な解析、各種分子軌道計算の結果、さらにX線結晶構造解析より、C3′-endo構造をとっていることを確認している。この結果から、これらコンホメーション固定型ヌクレオシド類縁体は標的mRNAに対して高い親和性を有することが大いに期待された。実際に、これらヌクレオシド類縁体を導入したオリゴヌクレオチドを種々作製し、その標的mRNAに対する親和性を検討したところ、これらが予想通り非常に優れた二重鎖形成能を有していることを明らかにすることができた。すなわち、このもののRNAに対する親和性はこれまでに類を見ない程優れており、さらにDNAとRNAとを認識する能力を兼ね備えているという極めて興味深い結果が得られた。また、その二重鎖形成時の構造に関してはCDスペクトルを測定し解析を行い、安定性に優れたA型構造をとっていることを示差する結果を得ている。 一方、上記のようなアンチセンス分子をはじめとした各種遺伝子を細胞内へ導入するためのベクターとして、我々は新規なカチオン性リポソームの開発にも注力しており、これまでにグリセリンを基本骨核とした対称型カチオン性脂質の合成に成功し、このものを含むリポソームが優れた遺伝子導入効率を有していることを見出した。さらに、このカチオン性リポソームはこれまでに知られている各種の遺伝子導入試薬に比較し極めて細胞毒性が低いということも確認しており、in vitroあるいはin vivoにおける新しい遺伝子導入法として大いに期待がもたれる。
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[Publications] Takeshi Imanishi et al.: "Synthesis of 2′-O,4′-C-Methyleneuridine and-cytidine.Novel Bicyclic Nucleosides Having a Fixed C3′-endo Sugar Puckering" Tetrahedron Lett.38・50. 8735-8738 (1997)
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[Publications] Takeshi Imanishi et al.: "Synthesis and Conformation of 3′-O,4′-Methanoribonucleosides,Novel Bicyclic Nucleoside Analogs for 2′,5′-Linked Oligonucleotide Modification" Chem.Commun.1643-1644 (1997)
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[Publications] Takeshi Imanishi et al.: "A Symmetrical and Biodegradable Catioic Lipid.Synthesis and Application for Efficient Gene Transfection" Bioorg.Med.Chem.Lett.7・14. 1817-1820 (1997)
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[Publications] Takeshi Imanishi et al.: "Properties of Novel Oligonucleotide Analogues Containing an Acyclic Nucleoside and a Carbamate Linkage" Bioorg.Med.Chem.Lett.6・12. 1357-1360 (1996)
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[Publications] Takeshi Imanishi et al.: "Syntheses of Novel Nucleoside Dimer Analogues Containing an Acyclic Nucleoside and a Carbamate Linkage" Tetrahedron Lett.36・47. 8617-8620 (1995)