1999 Fiscal Year Annual Research Report
小児感染症の非線形流行現象解明と視覚化モデル技法による予防戦略の医療経済学的研究
Project/Area Number |
09557205
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Research Institution | TOTTORI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
日野 茂男 鳥取大学, 医学部, 教授 (70012763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 一岳 京都府立医科大学, 助手
井上 仁 鳥取大学, 医学部, 助手 (00176439)
長田 郁夫 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (50252846)
陶山 昭彦 財団法人放射線影響研究所, 疫学部, 部長 (10144651)
米澤 保雄 茨城大学, 工学部, 助教授 (20261737)
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Keywords | 非線形 / 感染症 / インターネット / WWW / 予測 / 医療経済 / マルティメディア |
Research Abstract |
1 非線形モデル型感染症予防戦略システムの実用化 感染症流行の予防戦略システムにおいて現在、感染症発症動向調査にもとづいて全国各都道府県の保健所区域に設定された内科・小児科・眼科などの定点医療機関から毎週報告されてくる患者発生数を国で集約し全国の動向が公表され、またその都道府県に対して情報が還元されているが小区域から全国までの連続的な流行の把握が困難な状況にある。高井はK県においてweb方式を用いてインターネットを通じた感染症データベースを構築し、この問題の解消をはかることができる実用化システムの可能性を示した。感染症流行状況において、すでに気象変動に存在する非線型性が報告され予測可能性について議論がある。気象数値予報において、市町村レベルで24時間短期予測が実現されている。非線型性挙動のある感染症の場合長期予報の可能性については、さらに議論があるところであるが、地域条件を限定した場合の予報可能性について運用可能であるとされており、非線型モデル型感染症予防において短期予報、長期予報の画面から視覚化技法を用いた即時型双方向に利用可能な予防戦略システムの基盤を示した。 2 非線型モデル型感染症流行予防戦略システムの医療経済評価に対する有効性 感染症流行において、線型流行、非線型流行の2種型において、本研究の先行基盤となった風疹、およびB型肝炎を対象に検討し、上述の流行予測システムにもとづいた場合、ワクチン接種の有効性の検討が従来と比べより綿密に検討できる可能性が示唆された。 3 マルティメディアによる予防戦略システム 視覚化技法において、アニメーション型の流行把握システムを導入し現在設計仕様の検討が終了した。この仕様にもとづいて最終報告を行う予定である。
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[Publications] 高井一岳,陶山昭彦: "多元的パラメーターによる感染症発生動向の視覚的把握"日本公衆衛生雑誌. 45・10. 178 (1998)
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[Publications] 高井一岳,陶山昭彦: "数理モデルによる感染症非線形流行現象解明のアプローチ"Proceedings of the ACOFS'98. 1・1. 51-53 (1998)
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[Publications] 陶山昭彦,高井一岳: "複雑系・科学からみた感染症の流行と予防"Proceedings of the ACOFS'98. 1・1. 59-62 (1998)
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[Publications] 陶山昭彦,高井一岳 他: "感染症発生動向調査の利用基盤に関する保健情報学的検討"日本公衆衛生雑誌. 46・10. 675 (1999)
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[Publications] 高井一岳,陶山昭彦 他: "学級等閉鎖時における累積患者割合からみたインフルエンザ流行動態の均一性"日本公衆衛生雑誌. 46・10. 162 (1999)
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[Publications] 大重賢治,陶山昭彦: "カンボジアにおけるHIV/AIDS流行の疫学的特徴"日本公衆衛生雑誌. 46・1. 64-70 (1999)