1997 Fiscal Year Annual Research Report
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09557217
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 國寛 京都大学, 化学研究所, 教授 (00027070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 幸一郎 ダコジャパン(株)研究開発部, 部長(研究職)
木戸 隆宏 京都大学, 医療技術短期大学部, 助手 (60234308)
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Keywords | ペプチド核酸 / PNA / 遺伝子診断 / MRSA / 黄色プドウ球菌 / mecA / in situ PCR |
Research Abstract |
まずPNAプローブを使って特定遺伝子を検出する系の開発を目指して研究を開始した。対象遺伝子としてMRSAの原因となる黄色ブドウ球菌のmecA遺伝子を取り上げ、PNAプローブが遺伝子配列特異的に結合することを確認した。PNAプローブは濃度依存的に対象遺伝子と結合し、この結合は溶液のpHや塩濃度の影響を受けないことが明らかとなった。次いでPNAプローブを用いてmecA遺伝子のELISA類似系での検出を試みた。方法としては、まずFITCおよびビオチンで標識したPNAプローブと、菌から抽出したDNA(またはそのPCR産物)を94℃で反応させた後、室温に戻した。ここで形成されたDNA-PNA複合体を抗FITC抗体の同定化プレートで回収し、発色をダコ・エンビジョン法にておこなった。この際、標的遺伝子の低回収率および遺伝子の非特異的な付着による高バックグランドが問題となった。そこで標的部位をPNAで挟み込んでDNase処理を行ったところ、その標的部位だけを残して大部分のDNAを消化することができた。この結果、目的とする遺伝子部位の回収率が顕著に向上し、さらにバックグランドの低下が観測された。この方法による検出限界は10_6コピーであった。この方法はPCR法と比較して感度的には劣るものの、簡便さ、迅速性、自動化等において優れている。さらに、この方法をin situ PCR法とドッキングさせ、病理組織標本上でK-rasやp53などの変異遺伝子検出へ応用していくのが次年度の課題である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tanaka,S., et al.: "Inferior temporal lobe atrophy and APOE genotypes in Alzheimer's disease. X-ray computed tomography, magnetic resonance imaging and Xe-133 SPECT studies" Dement.Geriatr.Cogn.Disord.9・1. 90-98 (1998)
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[Publications] Kawamata,J., et al.: "Novel G16S (GGC-AGC) mutation in the SOD-1 gene in a patient with apparently sporadic young-onset amyotrophic lateral sclerosis" Human Mutation. (in press). (1998)
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[Publications] Tokime,T., et al.: "Enhanced poly (ADP-ribosyl) ation after focal isochemia in rat brain" J.Cereb.Blood Flow Metab.(in press). (1998)
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[Publications] 田中静吾・上田國寛: "アルツハイマー病の原因遺伝子とその発症のメカニズム" 医学分子生物学. 1・1. 62-71 (1997)
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[Publications] 上田國寛: "遺伝子診断のすすめ" 最新医学. 52・増. 5-9 (1997)
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[Publications] 上田國寛,他: "医学分子生物学" 朝倉書店, 202 (1997)
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[Publications] 木戸隆宏,他: "実践臨床検査医学" 文光堂(印刷中), (1998)