1998 Fiscal Year Annual Research Report
看護系大学入学者への門戸拡大のための教育内容改善方策に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09557222
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
中島 紀恵子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (90009613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 裕子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (70094753)
前原 澄子 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (80009612)
中西 睦子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00070681)
稲岡 文昭 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40151568)
樋口 康子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50198991)
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Keywords | 看護系大学 / 学士取得者の実態 / 門戸拡大 |
Research Abstract |
専修学校卒業者の学士取得に関する動態調査の結果の分析をふまえ,看護系大学として可能な門戸開放を進めるために整備すべき条件について検討した。 1. 実態の概略:(1)病院,看護婦等養成機関の両職員のスタンダードな進学経路は,高校→看護婦養成校(3年)→看護系以外の大学(86%)で,なかでも通信教育によるものが多い。しかし,養成校教員では科目履修生を経て学位授与機構に基づく学士取得者が増える傾向にある。進学率は1985年以降顕著に増加したが,1995年以降は40歳台の増加が目立つ。進学から学士取得に要する年数は平均5.9年。大多数が業務を中断することなく,現職能を保持する者であった。(2)学生生活の満足度は高く8割を占める。(3)回答者の半数は,条件さえ許せば看護系大学を選択したと答え,その理由に「教育内容」を挙げた。しかし,進学条件として多数が「地理的条件」「仕事をしながら学べる」を挙げた。進学者は人口100万人以上の都市に多く,10万人未満の都市に少ない。 2. 門戸開放の必要性と問題点及び課題:(1)大多数が地域生活も仕事も継続するというライフスタイルの中に就学を組み込んでいるが,そのうちの半数が看護系大学への進学の希望がかなわなかったことをふまえ,看護系大学として多様な編入学教育を積極的に進める必要がある。(2)門戸拡大が看護基礎教育の水準低下に結びつくことだけはさけなければならないが,他方,編入生と一般学生の隔離教育は,相方の教育の質によい結果をもたらさないことも明らかである。(3)門戸拡大により受け入れる編入生に,看護基礎教育とは異なるプログラムを用意するとすれば,それに見合う教育内容と教育組織及び教員マンパワーを再検討する必要がある。(4)教育内容についても創意ある工夫が必要になる。例えば「看護継続教育講座」,あるいは大学内に「継続教育部」を設置し,当該学生の教育・臨床能力を強化できる教科目の用意やティーチングアシスタントとしての教育補助機能の役割についての検討も考えられる。(5)看護系大学編入生に対する奨学資金の拡充に大学としての働きかけも重要になる。
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Research Products
(1 results)