地理情報システムにおける計算幾何による品質保証高次処理の実現

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09558029
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 今井 浩 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80183010)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 徳山 豪 日本アイ, ビー・エム東京基礎研究所, 主任研究員 ; 久保田 光一 中央大学, 理工学部, 助教授 (90178046) ; 今井 桂子 中央大学, 理工学部, 助教授 (70203289) ; 稲葉 真理 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60282711) ; 浅井 健一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10262156)
• Keywords: 地理情報システム / 計算幾何 / 自動微分 / 頑健性 / 地理データベース / 単体複体 / 3角形分割 / Voronoi図

Research Abstract

本研究では,地理情報システムGISの情報基盤としての整備・高次利用の強い要請に鑑み,GISでの情報処理について,地理データの品質の自動検証,品質を保証した計算とそれに基づく高次処理を実現することを目的としている.ここでの品質とは,次のように複数の意味をもつ:(1)地理情報データとしての品質,(2)地理情報システムでの高次処理結果としての品質.
本年度の研究は,これらの問題点に対し,研究グループメンバの許容誤差範囲内での幾何図形近似,動的環境への対処,自動微分に代表される数値的品質保証に基づいて,標準化活動での研究的側面も踏まえた地理情報システム特有の実世界との誤差も含めた品質保証システムの構築の検討を行なった.そのための土台として,計算幾何学に基づいた議論を展開し,特に精度保証の点では数値処理が幾何処理では不可欠であることから自動微分なども援用した処理技法の実用化を目指した.
具体的には,単体複体モデルの地理情報システムモデルとしての有用さに着目し,その幾何構造のアルゴリズム処理に関する研究を推進した.単体複体の最も直接的な実現が3角形分割であり,これらを列挙するアルゴリズムの研究を通して,局所的な変形に関する性質を明らかにすることができた.また,高次処理の観点からは,地理情報処理特有の複雑な処理・解析をユーザや応用プログラムが容易に行なうことができるようにすることについて,プロトタイプシステムを発表する論文を公表した.また,標準化活動でも,適合性テストを中心に幅広く活動した.

Research Products

• [Publications] T.Shibuya, H.Imai, S.Nishimura, H.Shimoura and K.Tenmoku: "Detour Queries in Geographical Database for Navigation and Related Algorithm Animations." Proc.Int.Symp.on Cooperative Database Systems for Advanced Applications. 246-253 (1997)
• [Publications] M.Inaba, H.Imai, M.Nakade and T.Sekiguchi: "Application of an Effective Geometric Clustering Method to the Color Quantization Problem." Proc.13th ACM Symposium on Computational Geometry. 447-478 (1997)
• [Publications] K.Onishi and H.Imai: "Voronoi Diagram in Statistical Parametric Space by Kullback-Leibler Divergence." Proc.13th ACM Symposium on Computational Geometry. 463-465 (1997)
• [Publications] F.Takeuchi and H.Imai: "Enumerating Triangulations for Products of Two Simplices and for Arbitrary Contigurations of Points." Lecture Notes in Computer Science. Vol.1276. 470-481 (1997)
• [Publications] M.Inaba and H.Imai: "Geometric Clustering and Its Application." International Symposium on Mathematical Programming(ISMP'97). (1997)
• [Publications] K.Onishi and H.Imai: "Voronoi Diagrams for an Exponential Family of Probability Distributions in Information Geometry" Japan-Korea Joint Workshop on Algorithms and Computation. 1-8 (1998)