1998 Fiscal Year Annual Research Report
顔面・頸部がんの手術シミュレーションと手術後再建形状推定システムの構築
Project/Area Number |
09558039
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
金子 豊久 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (10262974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 紀之 国立がんセンター, 中央病院放射線部, 部長
関口 隆三 国立がんセンター, 東病院, 医師
広田 光一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (80273332)
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Keywords | 手術シミュレーション / 顔部がん / 頸部がん / 手術後再建形状推定 |
Research Abstract |
我々は国立がんセンター東病院、中央病院と共同で顔面部・頸部に発生するがんの手術後の形状推定を行う方法およびシステムの開発を行っている。本年度のはじめに設定した計画書の各項目毎に進捗状況を以下に説明する。 [1] 頭部・頸部の人体3次元モデルとバネパラメータの同定 バネパラメータを正確に測定するために、レーザ変位計と6軸力測定装置を組み合わせた装置を作成した。人の頬、額など顔に1cm間隔に測定点を置きその点における変位と力の関係を測定しておく。人の顔はCTに基づいて1cm間隔のバネネットワークをあらかじめ作成しておき、このネットワークのおいて、力と変位が実測と同じ応答を示すようにバネ定数をきめた。 [2] 手術シミュレーションシステムとユーザインタフェース 前年度にバネネットワークモデルのバネを切断することによりシミュレーションシステムを作り上げた。本年度は解像度を7mmに上げた。カフィードバックを行えることにより視覚的および力学的にもリアリティを上げることができた。顔の表面を押したり、ひっぱたりできるVRシステムを作成した。 [3] 手術前外見写真の3次元モデルへの投影の自動化 正面と横面2枚合計3枚の外見写真(デジタルカメラを利用する)をCTから得られる3次元形状表面にマップする。この撮影は看護婦等の素人により行われることを考え,撮られた写真からカメラの位置・方向も推定を自動化した。デジタルカメラから得た2次元画像の目、口、鼻などの輪郭とCTから得た3次元から得る輪郭を自動的に位置あわせを行う方法を作り上げた。この方法はマルチメディア国際会議で発表し、電子情報通信学会誌に投稿した。また髪の毛の様子はCTでは写らないので3面またはビデオによる多面から形状を自動的に推定する方法を全国大会で発表した。 [4] 実験データの提供と医学的方向付け 前年度がんセンター東病院の頭頸部などからの協力を得て手術前と後のCT画像と顔面頸部の外見写真を本大学に提供を受けた。現在までの結果を平成10年度厚生省がん克服戦略総括班会議(平成10年12月がんセンター中央病院開催)で発表し、がん専門家からこのようなシステムは有用であるとの意見を得た。
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[Publications] A,M.Haider, E.Takahashi, T.Kaneko: "A 3D Face Reconstruction Method from CT Image and Color-Photographs" IEICE Tr.on Information and Systems. Vol.E81-D,No.10. 1095-1102 (1998)
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[Publications] 高橋,金子,広田,内山,関口,森山: "顔部がんの手術と再建形状推定" 医用画像工学会学会誌(Medical Imaging Technology). (採録決定). (1999)
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[Publications] 松下賢治,金子豊久: "ボリューム値を保存した3次元表面生成法" 電子情報通信学会論文誌. D-II(採録決定). (1999)
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[Publications] 広田光一・金子豊久: "柔らかい仮想物体の力覚表現" 情報処理学会論文誌. 39・12. 3261-3268 (1998)