1999 Fiscal Year Annual Research Report
軽水炉冷却系における酸化皮膜安定化のための水化学制御新手法の開発
Project/Area Number |
09558057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石榑 顕吉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90010975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広石 大介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20199110)
浅井 圭介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60231859)
勝村 庸介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111466)
逸見 幸雄 株式会社 東芝, 原子力技術研究所, 主幹(研究職)
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Keywords | 亜鉛注入 / 不定比スピネル / クロムイオン / クロマイト / Co取り込み / 貴金属注入 |
Research Abstract |
わが国の原子力発電プラントにおける水化学管理の状況を把握するため、文献等を調査し、今日に到る技術の展開とその動向を明らかにした。水化学技術における当面の主要な技術課題の一つである一次冷却系における放射能移行の解明を目的として、腐食生成物の主要成分であるフェライト及びクロマイトの溶解度測定を行ない、その熱力学解析から関連する金属イオンと酸化物の標準生成自由エネルギーを評価した。複合フェライトやクロマイトの標準生成自由エネルギーを構成成分から求める手法を確立し、種々の複合スピネルについて計算した。フェライト及びクロマイトからなる酸化物被膜にコバルトイオンが取り込まれる過程をモデル化し、測定と計算によって求めた金属イオン及び複合スピネルの値を用いて、コバルト取り込み抑制を定量的に評価した。高温ループ実験を行ない、ジルカロイ表面へのクロマイト析出過程を明らかにした。 水化学のもう一つの技術課題としてはステンレス鋼の応力腐食割れがあり、その発生には炉水の放射線分解が関連している。高温水の放射線分解についてのデータ整理を行なった。炉水の放射線分解抑制のために実施されている水素注入の効率を上げるために提案されている貴金属注入を今後の重要な課題と考え、2価及び4価のプラチナイオンを種々の条件下でガンマ線照射して、還元反応と熱分解反応による微粒子生成実験を実施し、その粒径と構造を明らかにした。更にこれらの微粒子の過酸化水素分解反応の触媒能を調べ、粒子の製法によって触媒能が大きく変化することを明らかにした。 上記の成果を実桟プラントへ、いかに反映できるか考察した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yukiko Hanzawa: "Solubility of zinc ferrite in high temperature oxygenated water"J.Nuclear Materials. 252. 209-215 (1998)
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[Publications] Yosuke Katsumura: "Fast neutron radiolysis of water at elevated temperature relevant to water chemistry"Progress in Nuclear Energy. 32. 113-121 (1998)
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[Publications] 萩沼 真之: "亜鉛イオン共存下の高温水中におけるSUS304鋼の腐食及びコバルト蓄積に及ぼすγ線の効果"日本原子力学会誌. 40. 397-406 (1998)
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[Publications] 石榑 顕吉: "水化学管理高度化の実績と将来課題"日本原子力学会誌. 41. 842-852 (1999)
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[Publications] Daisuke Hiroishi: "Thermodynamics of non-stoichiometric spinel compounds"Water Chemistry '98. 116-121 (1998)
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[Publications] Yukio Hemmi: "Co-60 transport mechanism under ultra low crud control"Water Chemistry '98. 137-144 (1998)