1997 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバー中のファラデー回転を利用した定常磁場計測器の開発
Project/Area Number |
09558063
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
飯尾 俊二 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (90272723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 正雄 東芝重電技術研究所, 電磁装置放電応用技術開発部, 主務(研究職)
寺井 清寿 東芝重電技術研究所, 電磁装置放電応用技術開発部, グループ長(研究職)
筒井 広明 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (20227440)
嶋田 隆一 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (40206181)
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Keywords | 光ファイバー / ファラデー効果 / 偏光計測 / 周波数偏移ヘテロダイン / 磁場計測 / 電流計測 / 核融合炉 / 半導体レーザー |
Research Abstract |
磁場閉じ込め方式による核融合炉において課題となっているプラズマ電流及び磁場の長時間計測器として、光ファイバ中のファラデー効果に着目した偏光計の開発を始めた。本偏光計は非常にコンパクトであり、電磁ノイズが大きい核融合装置での計測に適している。電力の分野で光電流変成器としてほぼ実用化の段階に達しているクロス・ニコル法を含む偏光計測方式を比較検討した結果、核融合炉の準定常電流・磁場計測用には、周波数偏移ヘテロダイン方式が最も優れていることが分かった。この方式を試験するために、音響光学素子と1/2波長板を用いて異なる周波数に偏移させた直交直線偏光を、1/4波長板で反対向きに回転する円偏光に変換して光ファイバに通し、ファラデー回転をビ-ト信号の位相変化として検出するための光学機材を整備した。また、デジタル位相検出を行うために、既存のVXIデータ収集装置に高速サンプルのデジタイザを付加し、12ビットでの高速データ収集を可能にした。 ファラデー回転角が透過する光の波長の二乗にほぼ反比例するため、短波長が偏光計測に有利であるが、ガンマ線・中性子照射に起因する光ファイバの透過率の劣化が、800nm以下の波長域でかなり大きくなる。光電流変成器用のシングル・モード光ファイバとしては、光弾性率が極めて小さい鉛ガラス・ファイバや低複屈折石英ガラス・ファイバが、光通信でよく使われる波長(850,1300,1550nm)用に開発されている。ファイバのベルデ定数から、開発目標のファラデー回転角の計測分解能0.1度に対応する磁場分解能を見積もった結果も考慮して、850nm用の鉛ガラス・ファイバを使用し、半導体レーザを光源とした実験を開始した。
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