1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09558079
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
田畑 勝弘 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助教授 (00271594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丁子 哲治 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 教授 (80092790)
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Keywords | フェライト生成反応 / 室温 / 溶存酸素濃度 / 金属イオン濃度 / 窒素酸化物除去 / 低温固気反応 |
Research Abstract |
1.今年度の実験計画 本申請では鉄系酸化物であるフェライトの生成反応機構と、このフェライトによる窒素酸化物除去および除去後のフェライトを再生する実験を計画し、今年度はフェライトとして高反応性が予想されていたニッケルフェライトを選び、その合成条件である反応溶液のpH、金属イオン濃度および溶存酸素濃度を変数として反応機構解析を試みた。また、窒素酸化物との反応性については、フェライト試料に窒素酸化物を流通する方式により検討した。 2.実験結果 室温でのニッケルフェライト合成反応において、これまで知られていなかったニッケル(II)イオンのフェライト合成に及ぼす影響、即ち、水酸化物沈殿の溶解におけるイオンの拡散過程がニッケル(II)イオンの存在によって促進される事が分かった。溶存酸素については、従来から知られている65℃条件におけるpHや酸化還元電位の変化そして中間生成物の観察から、室温合成条件においては水酸化物沈殿の溶解反応機構が異なる事を見出し、この反応について論文報告した。また、窒素酸化物反応性については、ニッケルフェライト試料を用いる事により、数10ppm(高精度測定可能な限界濃度)よりも低い濃度まで反応が進行する事を見出し、更にニッケル含有量が高い程反応性が向上する事を見出した。反応温度については、予測していた300℃よりも更に低い200℃あるいはそれ以下の温度でも十分に進行する事を見出した。低い温度でも窒素酸化物の還元が可能であった事から、このシステムを実用化するに際しての問題であった排ガス温度の変動に十分対応できる可能性が見出された。 3.来年度以降は、フェライトのニッケル含有量を変え、比表面積やメスバウアースペクトル等によりフェライト試料の基礎物性を解析し、その窒素酸化物との反応性について検討する。
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[Publications] TABATA M.: "NOx Removal From Flue Gas Using Spinel Ferrite At Low Temperature" "Acid Snow & Rain,"Proc.Int'l Congress of Acid Snow and Rain 1997. 588-593 (1997)
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[Publications] TABATA M.: "NO Removal With Spinel Ferrite At 200〜400℃" Japanese Journal of Applied Physics. 印刷中 (1998)
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[Publications] TABATA M.: "Room Temperature Synthesis of Magmetite,Mn(II)-bearing and Ni(II)-bearing Ferrites" Japanese Journal of Applied Physics. (印刷中). (1998)