1999 Fiscal Year Annual Research Report
ハンチントン病モデル動物の開発とアンチセンス戦略法による発症制御法の確立
Project/Area Number |
09558104
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
西野 仁雄 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60073730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 邦夫 味の素株式会社, 中央研究所, 部長
飛田 秀樹 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (00305525)
安居院 高志 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (00212457)
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Keywords | ミトコンドリア毒 / 虚血 / ラジカル / 細胞死 / ハンチントン病 / 線条体 / NO |
Research Abstract |
ミトコンドリア毒である3-ニトロプロピオン酸(3-NPA)をラットに全身投与(20mg/kg×2)すると線条体の中・外側部が特異的に傷害され、ハンチントン病様の運動症状を示す。全身投与したtoxinがなぜ線条体だけを傷害するのかについては種々の要因が提唱されているが、本研究では線条体の中・外側部を栄養する外側線条体動脈の脆弱性がベースにあるとの仮説を立て、これを証明する実験を行った。3-NPA投与後、外側線条体動脈領域の血液・脳関門(BBB)が破壊されるが、BBBの破綻は内皮細胞の傷害に外ならない。本研究では内皮細胞の障害をNOの過剰産生という観点から解析した。その結果、 1.3-NPA自身が強力なNOdonorであることを明らかにした。 2.RT-PCR法で、3-NPA投与後のeNOS及びnNOSメッセージの発現動態を調べたところ、検索した4部位(大脳、小脳、線条体、海馬)においてnNOSは海馬で上昇傾向があったが有意ではなかった。一方、eNOSは線条体においてのみ特異的にメッセージの発現が高進することがわかった。 これらの結果は、3-NPA投与による線条体の特異脆弱性には、3-NPA自身によるNO産生及び外側線条体動脈内皮細胞のeNOSメッセージの高進によるNO産生がベースとなることを示す。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Nishino et al: "The striatum is the most vulnerable region in the brain to mitochondrial energy compromise: a hypothesis to explain the specific vulnerability"J.Neurotrauma. 17. 255-264 (2000)
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[Publications] K.Nakajima et al: "Mitochondrial inhibitors and neurodegenerative disorders"The Human Press(P.R.Sanberg,H.Nishino and C.V.Borlongan). 121-127 (2000)
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[Publications] M.Kumazaki et al: "Mitochondrial inhibitors and neurodegenerative disorders"The Human Press(P.R.Sanberg,H.Nishino and C.V.Borlongan). 157-165 (2000)