1997 Fiscal Year Annual Research Report
結晶組織を形成する相の微少量・微小領域での構造解析汎用システムの確立
Project/Area Number |
09559003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀内 弘之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80029892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 徹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (00011651)
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Keywords | 結晶組織解析 / X線回折 / 微小領域解析 / 結晶構造解析 / 微小結晶 / 方位解析 / PSPC |
Research Abstract |
本研究では、(1)岩石・鉱物の他、多くの無機物質を構成している個々の結晶相の構造の情報、結晶方位の情報を非破壊・非分離で得ること、(2)結晶方位を同一とするものの分布状態の解析、(3)微小単結晶(直径10μm内外)の構造解析、を通常の実験室での封入管X線源(40kV、30mA程度)を用いて容易に行なうことが出来る方法を確立することを目的として、計画を推進している。本方法は、単結晶X線回折の応用であり、100〜数十μmの領域に含まれる数μm〜数十μmの結晶相の結晶学的な分析を目標としている。この目標の達成のために、本年度においては、これまでに実験を行ってきた試料方位の制御を可能とした3軸ゴニオメータに対して、検出システムとしてこれまでの湾曲型PSPCに加え、イメージングプレート(IP)の使用をも可能とするカセットを設計制作し、実験データ収集および解析のためのソフトウエアの改良・開発を行ない、実用的なシステムの完成を進めた。この結果として、直径10μm内外の単結晶による結晶構造解析が可能となり、また、PSPCによるこれまでの1次元データ収集に加えて、IPカセットの完成により2次元的データの収集が可能となった。また、ソフトウエアの一部完成により、双晶や析出相など母相-析出相の関係にある結晶相互の解析が可能となり、単結晶については、結晶方位の決定から個々の逆格子点に対する積分強度測定が可能となった。フラックス法で合成した微小なプロブスカイト型希士類アルミネート単結晶の構造解析に応用した。
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Research Products
(18 results)
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[Publications] 齋藤 晃宏: "SRを用いた微小単結晶EuALO_3の結晶構造解析と一連のRAIO_3(R;希土類元素)の構造への関係" 第10回日本放射光学会放射光合同シンポジウム講演要旨集. 263 (1997)
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[Publications] Hiroyuki Horiuchi: "Structure of synthetic Li_2(Mg,Cu)Cu_2Si_4O_<12>:a unique chain silicate related to pyroxene." American Mineralogist. 82. 144-149 (1997)
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[Publications] Toshinaga Tachi: "Structure of Cu-bearing orthopyroxene and its implication to the partitioning behavior of Cu2^+ and the transition metal ions in the ignious processes." Physics and Chemistry of Minerals. 24. 463-476 (1997)
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[Publications] Toetsu Shishido: "Microstructure,thermal properties and hardness of the CeMO_3(M=Al,Ga)synthesized by arc-melting method." Journal of Alloys and Compounds. 260. 88-92 (1997)
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[Publications] 堀内弘之: "希土類イオン置換によるペロブスカイト型構造相転移のシミュレーション" 平成8年度東北大学研究部共同利用報告書. 156-157 (1997)
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[Publications] 宍戸統悦: "アーク溶融法によるRGaO_3の合成と性質、RAlO_3との比較" 日本セラミックス誌学術論文誌. 105. 681-686 (1997)
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[Publications] Toetsu Shishido: "Solid solution range of boron,microhardness and magnetic properties of the perovskite-type GdRh_3B obtained by arc-melting synthesis." Japanese Journal of Applied Physics. 36・#11A. L1436-L1439 (1997)
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[Publications] 鄭 玉桐: "横引きアーク溶融法および固相反応によるCeO_2・Ga_2O_3,CeO_2-Al20_3 系化合物の合成、生成相と組織" 第72回春季日本化学会年会予稿集. 3A137 (1997)
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[Publications] 堀内弘之: "RAlO_3:イオン種と温度変化に基づく相平衡関係および結晶構造の変化" 第14回希土類討論会要旨 Rare Earths. 214-215 (1997)
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[Publications] 齋藤晃宏: "CeMO_3(M=Al,Ga);合成条件による相安定関係" 第14回希土類討論会要旨 Rare Earths. 136-137 (1997)
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[Publications] 宍戸統悦: "RMO_3(R;希土類元素、M=Al,Ga)の合成と性質" 第14回希土類討論会要旨 Rare Earths. 138-139 (1997)
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[Publications] 堀内弘之: "ペロブスカイト型構造高温高圧相転移:イオン半径の制御による化学的シュミレーション" 日本鉱物学会講演要旨集. 77 (1997)
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[Publications] 堀内弘之: "ペロブスカイト型RAlO_3:構造に及ぼすR^<3+>イオン半径と温度の効果" 人工結晶討論会講演要旨集. 65-66 (1997)
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[Publications] 齋藤晃宏: "LuGaO_3の結晶構造解析と一連のRGaO_3(R:希土類元素)の構造との関係" 日本結晶学会講演要旨集. 101 (1997)
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[Publications] 小暮敏博: "gibbsite(Al(OH)_3)の脱水化によって生成したアルミナの構造解析" 日本結晶学会講演要旨集. 125 (1997)
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[Publications] Akira Yoshikawa: "Orthorhombic to trigonal phase transition of perovskite-type (ND_x,Sm_<1-x>)AlO_3." Journal of Alloys and Compounds. 発表予定. (1998)
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[Publications] Akihiro Saitow: "Structural change caused by substitution of Nd for Sm in (Nd,Sm)AlO_3:Application of synchrotron high-resolution powder X-ray diffraction" Journal of Applied Crystallography. 発表予定. (1998)
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[Publications] 宍戸統悦: "銅ハ-ス水平移動式アーク溶融法によるぺロブスカイト型CeMO3(M=Al,Ga)の合成、ミクロ組織および結晶構造" 日本セラミックス誌学術論文誌. 発表予定. (1998)