1998 Fiscal Year Annual Research Report
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09559009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉川 正明 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (50026572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 正克 長崎大学, 薬学部, 助教授 (90112383)
辻 彰 金沢大学, 薬学部, 教授 (10019664)
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Keywords | C3a / カゼイン / casoxin C / oryzatensin / 抗鎮痛 / 抗健忘 / nociceptin / 学習促進 |
Research Abstract |
κ-カゼイン由来の補体C3aアゴニストであるcasoxinC(Tyr-Ile-Pro-Ile-Gln-Tyr-Val-Leu-Ser-Arg)はマウスに対する脳室内投与により抗鎮痛作用および抗健忘作用を示すことから、補体C3aそのものについて検討したところ、同様な作用を有することが判明した。米アルブミン由来のoryzatensin(Gly-Tyr-Pro-Met-Tyr-Pro-Leu-Pro-Arg)のC末端5残基に相当するTyr-Pro-Leu-Pro-ArgはC3aアゴニスト活性および弱いμ-オピオイド活性を有するが、N末端のTyrを他の各種疎水性残基に置換したところ、オピオイド活性は消失し純粋なC3aアゴニストが得られた。それらのうちTrp-Pro-Leu-Pro-Argは300mg/kgの経口投与で抗モルヒネ作用および抗健忘作用を示した。 nociceptinは脳内に存在する痛覚増強ペプチドであるが、そのアンタゴニストは未だ見出されていない。nociceptinはκ-オピオイドアゴニストであるdynorphinとホモロジーを有している。以前に我々はdynorphinのN末端とC末端を逆転させたretro-dynorphinメチルエステルがκ-オピオイドアンタゴニスト活性を示すことを見出していたのでretro-nociceptinメチルエステルを合成したところ、予想どうりnociceptinアンタゴニストが得られた。retro-nociceptinメチルエステルはマウスへの脳室内投与により鎮痛活性を示し、しかもその鎮庸作用にはモルヒネの場合と異なり耐性形成および依存性が認められなかった。nociceptinは学習能を低下させることが知られているがretro-nociceptinメチルエステルは学習促進効果を有することがわかった。このことはモルヒネが有する耐性形成、依存性および学習阻害などの副作用を持たない鎮痛物質が得られたことを意味している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 吉川正明: "神経ペプチドとしての補体C3aアゴニスト" 日本神経精神薬理学会誌. 18(1). 28-28 (1998)
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[Publications] Yoshikawa,M.: "Effects of Tyr-MIF-1 on stress-induced analgesis and the blockade of development of morphine tolerance by stress." Jap.J.Pharmacol.79(2). 231-235 (1999)
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[Publications] 吉川正明: "生活習慣病を防ぐ食品の開発-ペプチド生理工学" 学術の動向. 3(11). 27-29 (1998)
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[Publications] Yoshikawa,M.: "Peptide Science-Present and Future" Kluwer Academic Press, 850 (1999)
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[Publications] 吉川正明: "ミルクの先端機能" 弘学出版, 276 (1998)