1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09559013
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
増田 章 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (60091401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光易 恒 広島工業大学, 環境学部, 教授 (30038533)
上原 克人 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (80223494)
草場 忠夫 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (00037871)
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Keywords | 次世代型波浪予報モデル / 非線形エネルギー伝達関数 / RIAM法とWAM法 / 波浪エネルギー放射項のアルゴリズム / 現地観測と水槽実験 / 浅海域波浪予報 / 砕波 / 吹送距離法則 |
Research Abstract |
次世代型モデルの開発は、構成要素自身の開発とシステムの開発、運用・応用に分けられる。今年度の開発研究では構成要素の性能を上げることに目標があった。 1.浅海域における非線形エネルギー伝達関数計算手法の開発 次世代型波浪予報の要とされる非線形エネルギー伝達関数を計算するアルゴリズムを、深小波についてほぼ確立した。増田の厳密計算法と小松・増田のRIAM法、現業に適用できるSRIAM法がそれである。RIAM法を有限水深域に拡張したHashimoto et al.のアルゴリズムも発表されている。但し、水深に比べ特性波長が同程度かやや大きい場合、不安定が起こりやすいと報告されている。この原因を考察し計算手法を改良したところ、概ね安定な結果を得ることができた。但し、まだ改良過程にあり、細かい修正が必要である。 1.波浪エネルギー放射項の新しい計算手法の開発 波浪予報の基となるエネルギー平衡式で最も曖昧さの無いのはエネルギー放射項であり、通常の移流項と同様である。この項による数値計算を行う手法をいくつか開発した。RIAM-I法、RIAM-II法、修正FFT法がそれである。予備的な段階なので、一次元放射アルゴリズムで数値拡散の大きさ・伝播の異方性・精度・正値性を吟味した。その結果、少なくとも一次元の場合については、従来の方法と比べて概ね高い性能を有することが分かった。簡便な手法については、実用化も容易で精度を上げるのに貢献すると期待される。 1.観測ステーションで取得したデータに基づく津屋崎沖の風と波浪の解析 津屋崎沖海洋観測ステーションで取得した8年間の風向・風速・有義波高・有義周期データを基に、季節変動と短周期変動を解析した。その結果、アジア大陸東縁で日本海に面するという津屋崎の地理を反映した気象海象変動特性を磁認することができた。秋から春先にかけて強い北風が吹くが夏の風は弱い。風の変動に対応して、波高・周期も冬に大きく夏に小さい。数日より短かい周期では、風乱流慣性領域に対応する-5/3乗スペクトル形が見られた。有義波高・周期も同じ周波数域で同じスペクトル形に従うことが分かった。但し、風と波高・周期の間にそれほど強い直接的相関があるわけではない。これらの解析結果は、波浪予報と対比すべき現場観測データとして活用される予定である。
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Research Products
(1 results)