1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヘブライ思想・ギリシア教父と現代思潮との比較思考研究とそれに基づく新倫理学の構築
Project/Area Number |
09610003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮本 久雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50157682)
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Keywords | エチカ / ハーヤー存在 / ベリート的共同体 / グノーシス / エイコーン / ケノーシス / アウシュヴィッツ / ダーバール |
Research Abstract |
本研究は、ギリシア的観照(theoria)の伝統に基礎をおく現代的知識論とそのモデル下に成立した従来の人間論に対して、非還元的な知とそれに拠る「倫理的人間論」の構築を目指している。そのため知と倫理学の源泉としてヘブライ思潮とギリシア教父学を研究し、他方でアウシュヴィッツ以降の現代思潮の文脈を検討し、最前線に布置する哲学者、科学者と交流を深めてゆく。 ヘブライ思潮研究に関して『福音書の言語宇宙』、『聖書の言語を超えて』を出版し、ハーヤー的存在、ダーバール的言語論、ベリート的共同体論、グノーシス、ケノーシス的人間論を深め、本邦に紹介した。ギリシア教父研究を本邦で唯一集成する雑誌『エイコーン』を年2回出版し、反響をえている。如上の諸分野を統合すべく目下『キリスト教辞典』を編集中であり、これもその全体的で21世紀を展望する性格からして本邦ではユニークである。しかも、アジア的東洋的視点をとり入れて、新倫理学の東洋化も目指している。また、ドイツやロシアの宗教思想、現代の生命科学者との交流・共同研究も進展した。様々な結実があった。
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