1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yasuda Women's College |
Principal Investigator |
池田 智子 安田女子短期大学, 秘書科, 助教授 (90284140)
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Keywords | バイリンガル / データ駆動型処理 / 概念駆動型処理 / 自由再生 / 単語完成課題 / 視覚呈示 / 聴覚呈示 / 熟達度 |
Research Abstract |
交付申請書に記載した平成九年度の研究実施計画に基づき,大学生を被験者として以下3つの実験を行った。実験1では,視覚呈示した英語と日本語単語について,イメージ形成あるいは読みを求め、その後,自由再生を課した。この時,英語とその訳語である日本語単語の読みを求めた場合,英語単語とその訳語である日本語単語がペアとして結びつけやすい呈示順序条件において,ランダムな呈示順序条件より再生率が高かった。つまり,従来見られている英語-日本語単語の読みを求めた場合だけに認められる繰り返し効果は,訳語同士の結びつきが顕著な場合に生じることが示された。実験2では,実験1とほぼ同様の手続きで,具象語と抽象語の比較を行った。その結果,予想通り,具象語においてのみ精緻化の効果が見られ,抽象語より具象語において,より概念駆動型処理が行われていることが示された。実験3では,単語を聴覚呈示し,その後,自由再生あるいは単語完成課題を課した。その結果,自由再生の場合には,精緻化の効果が見られ,聴覚呈示した場合にも概念駆動型処理が行われていることが示された。しかし,単語完成課題では,学習時に聴覚呈示した単語と無学習の単語との成績に差がなく,聴覚呈示はその後の視覚呈示単語完成課題に影響を及ぼさないことが示された。
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