1998 Fiscal Year Annual Research Report
リハビリテーションを阻害する右半球症状(無関心な態度)の検査の開発
Project/Area Number |
09610094
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
関 啓子 (財)東京都神経科学総合研究所, リハビリテーション研究部門, 主事研究員 (90154640)
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Keywords | 右半球症状 / 左半側空間無視 / リハビリテーション / 無関心な態度 / 検査 |
Research Abstract |
左手側空間無視患者は病識がなく多幸的で表面的な対応をするため,軽度でもリハビリテーション効果が上がりにくいといわれる.昨年度はこのような右半球症状(課題に対する無関心な態度)を書字障害(空間性失書)の面から分析し,Brain and Languageに発表した. 今年度は右半球損傷患者が示す「課題に対する無関心な態度」を検出する鋭敏な検査として,作製した試案を左手側空間無視患者多数例に適用した.これは高齢の患者にとっても緊張感の少ない紙と鉛筆による検査であるという利点がある反面,無視症状自体を利用しており,持続する無視症状の出現頻度が低い左半球損傷患者には用いることが難しい.具体的には,二等分試験の直後に(1)印は線分の真ん中についたか,(2)印の左と右ではどちらが長いかという質問を繰り返し,二等分成績に対する自己評価が適切な例において二等分成績が改善するかを検討した.驚くべきことに,多くの無視患者は左右の長さの判別は可能であるのに,その後の二等分においても印は真ん中についたと主張しつづけ,二等分成績は改善しなかった.この結果はNeuropsychologiaに発表した. 今年度継続中の課題は視覚刺激をノート型パソコンによって患者に呈示し,反応を求めるものである.本実験は言語による教示や反応を最小限度にとどめるように配慮しており,失語症患者にも施行が可能である.今年度までに妥当性や難易度についての予備実験を終了したところであり,すでに年齢,学歴などを一致させた健常対照群および左右一側半球損傷例に対するデータ収集を開始している.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Seki,K.,Ishiai,S.,Koyama Y.et al.: "Effects of unilateral spatial neglect on spatial agraphia of kana and kanji letters" Brain and Language. 63. 256-275 (1998)
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[Publications] Seki,K.,Ishiai,S.,Koyama Y.et al.: "Unassociated responses to two related task demands: A negative factor for improvement of unilateral spatial neglect" Neuropsychologia. 37. 75-82 (1999)