1997 Fiscal Year Annual Research Report
子どものコンピテンスの低下傾向の要因分析-幼児期から思春期にかけての縦断的検討を通して
Project/Area Number |
09610103
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
藤崎 眞知代 群馬大学, 教育学部, 教授 (90156852)
|
Keywords | 社会的コンピテンス / 横断的検討 / 縦断的検討 / 自己評価 / 他者評価 / 重要性評価 |
Research Abstract |
1)思春期におけるコンピテンス測定尺度の作成 思春期におけるコンピテンス認知を測定する尺度を作成するため、Harterによる思春期用コンピテンス尺度を翻訳し、中学1〜3年生約300名を対象に尺度化を試みた。さらにこのうちの約70名を対象に、尺度の信頼性の検討するために再テストを実施した。その結果、日本の思春期の生徒のコンピテンス認知を測定に適応し得る尺度であることが判明した。 2)思春期のコンピテンスの発達的変化の検討 上記の資料に基づいて、思春期におけるコンピテンス認知の発達的変化を横断的に検討しつつあるが、現在までのところ、中学生についてもコンピテンスの自己評価は発達的に低下する傾向が見られこと、重要性評価が自己評価を上回ることなどが明らかにされた。今後は自己評価と他者評価(両親、及び教師)の関連動について詳細な分析を行なう予定である。 3)児童期から思春期にかけてのコンピテンスの発達的変化の検討 幼稚園年長時からの追跡児について、小学校1年、4年、6年、中学校2年でのコンピテンスの自己評価、他者評価、及び日常行動に関する自己評価、さらに同様な他者評価について縦断的な変化を検討しつつあるが、現在までのところコンピテンスに関して自己・他者評価ともに発達的に低下すること、追跡児の思春期でのコンピテンスの自己評価はその他の生徒に比べて低いこと、教師評価も相対的に低いことなどが明になってきている。 4)コンピテンスの低下傾向の要因の検討 授業場面での行動観察の手続きについて予備的検討を行ない、観察の枠組みをほぼ決定した。さらに、観察資料の限界が予測されるため、学業成績、及び自分や家族についての作文もコンピテンスの低下傾向の要因分析の対象に加えることにし、現在、作文に表現されている自分や家族の捉えと質問紙によるコンピテンスの自己評価との関連について分析を進めている。
|
Research Products
(2 results)