1997 Fiscal Year Annual Research Report
児童用パーソナリティ検査の標準化とその利用による教育的効果に関する研究-気質類型・性格特性統合モデルの教育場面への通用性の検討-
Project/Area Number |
09610108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
若林 明雄 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (30175062)
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Keywords | パーソナリティ / 特性 / 気質 / 帰属 / 心の理論 |
Research Abstract |
本年度は、研究課題の基礎的な検討して、成人のパーソナリティ理解において有効性が確認されている気質・性格統合理論の枠組みが、児童期の小学生を対象とした場合での妥当性があるかという点について検討を行った。 具体的には、気質・性格統合理論の理論的枠組みとなる気質類型、性格特性に該当するようなカテゴリー概念を児童が持っているかどうかを検討した。方法論的には、自分自身、好意を持っている他者、嫌悪感を持っている他者のそれぞれについて、児童を対象に自由応答形式でその特徴について記述説明することを求めた。そしてその結果得られた応答の中からパーソナリティ関連の用語を抽出し整理した上で、代表的な特性用語を明らかにした。次いで、この特性用語を使用して、自分自身及び他者について評定を行わせるとともに、典型的な状況場面での行動を提示した上で、その場面での人物のパーソナリティを推測させた。 以上の結果明らかにされたことは、(1)気質類型に関わるような特性用語の使用がかなり普遍的に認められること、(2)性格特性の使用に関して発達的変化が認められること、(3)発達に伴い状況要因よりもパーソナリティ要因を重視するようになることなどが明らかにされた。 したがって、来年度以降は、本年度に得られた結果をもとにして児童に適用可能なパーソナリティ検査のための質問項目の作成を行う予定である。
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