1998 Fiscal Year Annual Research Report
児童用パーソナリティ検査の標準化とその利用による教育的効果に関する研究
Project/Area Number |
09610108
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
若林 明雄 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (30175062)
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Keywords | パーソナリティ / 特性 / 気質 / 帰属 / 心の理論 |
Research Abstract |
本年度は,前年度に続き,児童期の小学生を対象として,パーソナリティ特性の自己および具体的な身近な他者への帰属という点について検討を行った。 具体的には,児童を対象に自由応答形式で調査した結果収集された代表的な特性用語を整理し,社会的望ましさの要因を考慮した上でカテゴリー化を行った上で,自分自身,好意を持っている他者,嫌悪感を持っている他者のそれそれについて,児童を対象に特性用語を帰属することを求めた。 次いで,この特性用語を使用して,典型的な5つの状況場面での行動を提示する(キャラクターの行動情報を与える)とともに,キャラクターの外見を要因として設定し(社会的に好ましい印象を与える容貌と,好ましくない印象を与える容貌,そして容貌が見えない中性的条件の3条件),その場面に登場する人物のパーソナリティを推測させた。 さらに,キャラクターの行動情報を与えた上で,そのキャラクターが他の場面ではどのような行動をするかという予測を行わせた.他の場面としては,与えられた行動情報での場面と類似しているものから,全く類似性のないものまで5段階を設定した. 以上の結果明らかにされたことは,(1)自己や身近な他者に対するパーソナリティ特性の帰属は,7歳程度の児童期の初期である程度可能であること,(2)発達に伴い,行動情報の重要性が高まること,(3)行動情報に基づく別の場面での行動予測では,10から12歳頃になって情報に基づいた正確な予測ができるようになることなどが明らかにされた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 若林明雄: "子どもによるパーソナリティ特性の理解:帰属理論から心の理論へ" 上越教育大学研究紀要. 17・2. 529-550 (1998)
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[Publications] 若林明雄: "Children's use and conprehension of trait terms." 9th Europeam Conference on Personality Abstracts. 163-164 (1998)