1998 Fiscal Year Annual Research Report
ワーク・ファミリー・コンフリクトとメンタルヘルスの関連性に関する心理学的考察
Project/Area Number |
09610113
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金井 篤子 名古屋大学, 教育学部, 助教授 (80262822)
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Keywords | ワーク・ファミリー・コンフリクト / メンタルヘルス / 心理学的考察 |
Research Abstract |
本年度は3年計画の第2年次であり、昨年度構築されたワーク・ファミリー・コンフリクト・モデルをもとに、資料収集と予備調査のデータ解析および分析を通じて、ワーク・ファミリー・コンフリクトの質問紙を構成することに費やされた。また、個人から収集した結果を個人にフィード・バックするためのフィード・バック冊子が作成された。これは被調査者の調査参加への動機づけを高めるとともに、個人の知る権利を確保し、さらに、メンタルヘルス促進における自己理解と自己管理の効果をねらったものである。 ワーク・ファミリー・コンフリクトの定義として、「役割葛藤の一形態であり、組織からの要求が家庭における個人の達成を阻害し、また家庭からの要求が組織における個人の達成を阻害すること」を採用した。ここで定義されるワーク・ファミリー・コンフリクトは個人の仕事満足度や家庭満足度、メンタルヘルス全体にネガティブな影響を及ぼす。このとき、個人内的要因として、仕事関与および仕事参加、家庭関与および家庭参加がワーク・ファミリー・コンフリクトの発生の程度に関わり、さらにワーク・ファミリー・コンフリクトが個人の精神健康にネガティブな影響を与える関係を調整すると考えられる。次年度は本年度作成された質問紙を企業に働く人々を対象に実施し、収集されたデータの解析・考察を通して、ワーク・ファミリー・コンフリクトの発生のメタニズムおよびその影響について、知見を報告する。
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