1997 Fiscal Year Annual Research Report
投影法による「対人社会行動としての運動適性検査」の開発と運転者教育法の確立
Project/Area Number |
09610116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 和久 大阪大学, 人間科学部, 助手 (00224098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 博雄 東北工業大学, 工学部, 教授 (90077503)
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Keywords | 運転適性テスト / 運転者教育 / 投影法 / 欲求不満 / 対人コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究では,交通行動を対人社会的行動としてとらえ,運転適性テストの開発とその検査結果をフィードバックすることによる運転者教育訓練法を確立することを目的としている.本年度は主に,基礎資料の収集と理論的背景,およびテスト項目の構成について検討を行った.従来から指摘されている問題,すなわち外罰・他責傾向,攻撃性,衝動的行動など,不適応行動が交通事故発生と結びつく場面を数十場面取り上げ.テスト場面作成のための基礎資料とした.これらの交通場面はいずれもフラストレーションが生じる場面であり,その状況性を大別すると次の2つに集約される.一つは対人コミュニケーション場面であり,他の交通参加者の存在や行動によって引き起こされる欲求不満場面である.例えば,「信号交差点で停止後,青信号になっても前車がなかなか発進しようとしない」といった場面は,対人コミュニケーション場面における欲求不満状況として分類された.いま一つは,交通事故場面であり,自らが交通事故に関与した場合の反応を問うものである.運転者の反応は,意識レベル(欲求不満場面に出くわしたときに意識される内容)と,行動レベル(実際に攻撃的な行動をとるかどうかなど)に分けて測定される.取り上げたテスト場面の特長は,いずれも具体的な状況を示すことにより,運転者の日常の意識や対応行動が投影される点にある.またこのような具体的な場面は,運転者に対し自己の問題点について客観的な理解を促しやすく,態度変容などの教育効果が期待される.
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