1998 Fiscal Year Annual Research Report
投影法による「対人社会行動としての運転適性検査」の開発と運転者教育法の確立
Project/Area Number |
09610116
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 和久 大阪大学, 人間科学部, 助手 (00224098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 幸三 大阪産業大学, 工学部, 助手 (60268266)
太田 博雄 東北工業大学, 工学部, 教授 (90077503)
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Keywords | 運転適性テスト / 運転者教育 / 対人コミュニケーション / 投影法 / 欲求不満 |
Research Abstract |
本研究の目的は,交通場面における欲求不満場面を取り上げ,フラストレーション状況下でドライバーがいかなる攻撃的反応を意識し実行するかを明らかにすることである.そのための適性テスト項目の確定と妥当性研究を行うものである.さらには診断結果のフィードバックによる運転者教育法の確立を目指している.本年度は,主に基礎資料の収集(運転行動の観察とその解析など)と理論構築の検討を行い,対人場面でのフラストレーション状況の分類作業を行った.交通場面における攻撃的行動には,そのきっかけとなる状況性が必ず存在する.第一に,直接的にドライバーの自我が傷つく場面である.たとえば,交通事故に関与し自分の責任が問われる場面や,自己の運転の未熟さを他者から非難される場面である.このような場面では,逃れることのできないストレス状況に自己がおかれ,自責,他責,無罰等の反応が表出し,個人の攻撃性の特性が見出される.第二に,他者の行動によって,欲求不満状況が発生し,攻撃的行動(クラクションをならす,車間距離をつめるなど)が実行される場面である.たとえば,速度の遅い先行車両のためにイライラするなどである.このような場面では,個人によって,不満を感じる程度が異なり,必ずしも自責・他責等の攻撃的行動が表出されるものではない.したがって,欲求不満を感じるか,そしていかなる行動をとって対応するかの2段階に分けて,個人の反応を測定する必要があることが分かった.
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