1997 Fiscal Year Annual Research Report
大学生における進路選択に伴う時間的展望の変化プロセスの研究
Project/Area Number |
09610140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
都筑 学 中央大学, 文学部, 教授 (90149477)
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Keywords | 大学生 / 進路選択 / 時間的展望 / 青年 |
Research Abstract |
本研究では、大学生活の後半から卒業後にかけての進路選択過程における、大学生の時間的展望の変化を検討することを目的とした。具体的な研究課題は、以下の3点であった。第1に、進路選択の準備段階、就職活動等による進路選択の実践段階、そして、大学卒業による進路選択の決定段階における、進路選択行動や心理、および将来目標の側面から見た時間的展望の特徴を検討する。第2に、上記の縦断的に集められたデータから、進路選択に伴う時間的展望の変化プロセスを明らかにする。第3に、就職難と呼ばれる現代の社会的状況が、大学生の時間的展望に与える影響を明らかにする。 平成9年度から11年度にかけての3年計画の研究の初年度にあたり、本年度は大学2、3,4年生を対象に調査を実施した。調査は郵送で行い、進路選択の実際の状況や希望進路、進路選択にかかわる自己効力、将来目標の内容および将来目標についての意識、過去・現在・未来に対する時間的態度、自我同一性などに関して、縦断的調査の第1回目の基礎的データを得ることができた。これらの調査結果に関して、学年間の比較や進路決定・未決定による比較を行ったものを、日本教育心理学会第40回総会(1998)および日本心理学会第62回大会(1998)において発表する。さらに、大学2年生を対象に、個別面接調査によって、中学・高校大学における進路選択の実際的状況、労働(アルバイトを含む)についての意識、今後の目標や生活信条などについて聞き取った。この調査からは、大学卒業後の進路選択希望が、当該個人の大学入学以前の生活や価値観と関連性が深いことが示唆された。 来年度以降は、今回の対象者に継続して調査を行い、今年の基礎的データからの変化を検討していく。
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