2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610168
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
河西 宏祐 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (20015837)
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Keywords | 労働時間短縮 / 勤労意欲 / 交通産業 |
Research Abstract |
(1)前3年度に引き続き、本年度も交通産業(広島電鉄)を調査対象とし、経営合理化・労使関係の変化(労働時間短縮を含む)について、経営者・組合役員・職場管理者・従業員に聞き取り調査とアンケート調査を行った。 (2)昨年度に実施された経営合理化の一環である「分社化」による労使関係の変化について聞き取り調査を行った。 (3)本年度の重点を経営合理化の一環である賃金制度の変化におき、それと労使関係の変化との関係について聞き取り調査を行った。 (4)以上の結果、交通産業(広島電鉄)において2001年4月からの規制緩和(バス部門)を前にして全面的な経営合理化が行われており、これまでの労働時間、賃金、労働密度、仕事の進め方、職場慣行などが全面的に改変されてきていること、そのことによって職場の管理者・従業員関係が著しく緊張をはらんだものとなってきていること、組合執行部は経営側・職場組合員の狭間にあって対処に苦慮していること、その結果、組合執行部の指導力の低下が見られ、労使関係の不安定化がみられることなどが把握された。 (5)他方ではここ2〜3年の間の変形労働時間制の導入にともなう職場の混乱はやや沈静化の兆しが見られる。職場における管理者・従業員の協議・運営によってダイヤ編成方式の柔軟化がみられ、新しい職場慣行ができつつあることが把握された。 (6)今後の労使の争点は賃金体系の改変に移行しつつある。この点における激しい労使対立と職場の混乱は続いており、今後とも交通産業における労使関係の激変は注目される。
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Research Products
(1 results)