1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小谷 典子 山口大学, 人文学部, 教授 (60117083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖田 寛子 山口大学, 人文学部, 助手 (20294613)
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Keywords | 産業都市 / 企業の社会的貢献活動 / 社是・社訓 / 環境問題 / 市民団体 / 環境創造 / 企業市民性 |
Research Abstract |
産業都市の環境形成は、行政、市民、および企業が一体となって取り組むべきもので、とりわけ企業の社会的責任は大きいといえる。本研究は、産業都市に立地する企業の社会的貢献活動の一環として企業の環境政策への取り組みを位置づけ、市民がどのようにそれを評価し、市民自体もまた環境問題にどのように取り組んでいるかを明らかにするものである。 平成9年度は、第1に、わが国の企業の社会的貢献活動の実態と環境問題への取り組みの全体像を把握するための資料収集、第2に、全国の主要企業(企業団体44を含む)659社に対する「企業の社会的貢献活動と環境対策に関する調査」の郵送法による実施、第3に、産業都市北九州市における、都市の環境創造に関与している70の市民団体のリーダーに対する活動実態調査を面接聴取法により実施した。 企業の社会的貢献活動や環境政策に関する資料は、調査票の作成や調査対象企業を選定する際に利用した。 企業調査の結果、172社から回答が寄せられ、回収率は26.1%であった(企業団体を除外すれば、28.0%)。業種別では製造業の環境問題への関心が強く、多くの環境対策が実施されている。また企業の社是・社訓と社会的貢献活動との関連も見られる。調査結果の詳細な分析は、次年度以降も継続する。 北九州市における環境団体調査からは、51団体の活動情報が得られた(回収率72.9%)。その結果、地域団体は行政の環境施策を補強する活動を中心に行っているものと、場合によっては行政や企業に異議申し立ても有り得る独自の活動を行うものとに二分される。団体の性格を決定する要素として、団体リーダーに地域社会での生活と職業上の経歴が大きく関与していることがわかった。
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