1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610184
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小谷 典子 山口大学, 人文学部, 教授 (60117083)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖田 寛子 山口大学, 人文学部, 助手 (20294613)
|
Keywords | 産業都市 / 企業の社会的貢献 / 社是・社訓 / 環境市民団体 / 企業市民性 / グローバル500賞 / 環境創造 |
Research Abstract |
今年度は、(1)企業の環境政策に関する調査結果の分析、(2)北九州市の環境市民団体の調査の分析、(3)宇部市における企業の社会貢献活動に関する調査、資料収集、(4)宇部市の環境市民団体の調査、(5)四日市市の環境政策に関する調査、資料収集を実施した。 1. 企業調査の結果、企業の環境問題に対する関心は全体的にきわめて高く、とりわけ製造業の取り組みが積極的であった。また、企業の経営方針との関連では、グローバルな志向の企業ほど環境問題への取り組みが顕著であった。企業の社会貢献活動と環境問題への取り組みには、直接的には明確な関連はみられなかったが、いずれも経営トップクラスの経営方針のあり方が、地域社会や地球社会の一員としての「企業市民性」の浸透に不可欠であることが明かとなった。 2. 北九州市の環境市民団体の調査からは、産業都市における市民団体の4類型が析出された。伝統的な地域団体を基盤としたローカル組織型、自発的な地域活動にもとずくローカルネットワーク型、地域の枠を越えたコスモポリタンネットワーク型、ネットワーク型組織の新たな組織形態としてのコスモポリタン組織型である。産業都市の環境創造に関わる市民団体の活動は、ローカル組織型からコスモポリタン組織型へと変容してきており、活動の成果は、コスモポリタン組織型が最も大きいといえる。 3. 宇部市においては、都市基盤の整備や文化施設の建設をはじめ、企業の地域貢献の歴史は古い。しかし北九州市に比べると、環境市民団体の形成は弱いものの、行政主導の「花壇コンクール」参加団体が、花と緑と彫刻のまちづくりに大きく貢献している。 4. さらに、国連環境計画よりグローバル500賞を受賞した北九州市、宇部市、四日市市の行政、企業、学界、住民の関わりを比較検討するための資料を収集した。
|