2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610184
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小谷 典子 山口大学, 人文学部, 教授 (60117083)
|
Keywords | 産業都市 / 企業の社会貢献 / 環境市民団体 / 企業市民性 / 環境創造 / フリーマーケット / コミュニティ / アソシエーション |
Research Abstract |
本年度は本研究の最終年度にあたるため、これまでの研究成果の補足とまとめに主眼点をおいた。まず補足調査としては、山口県防府市で企業を中心に展開されてきた「愛情防府運動」と称される社会貢献活動を、一般市民がどのように評価しているかを、防府市の環境市民団体のリーダーに対する面接調査で明らかにした。 前年度までの調査地域である北九州市や宇部市と比較すれば、防府市にはボランタリーな環境市民団体が十分に育成されているとは言い難かった。したがって調査は環境市民団体に加えて、防府市が実施している廃棄物の自主搬入制度や廃棄物資源化推進奨励制度を活用している自治会を対象とした。自治会は典型的なコミュニティ集団で、リーダーもほとんどが高齢の男性に偏っている。 その結果、環境団体と自治会の活動を比較すれば、環境団体の方が環境問題に対する関心も高く、企業の社会貢献活動に対する認知度も高かった。また企業の活動が、中心商店街で行われる「愛情防府フリーマーケット」と、伝統的な防府天満宮の祭り参加が目立つこともあって、周辺地域よりは市街地に近い自治会に企業の活動評価が高い。 平成5年に35社で始まった企業の社会貢献活動は、企業の呼びかけで、中心商店街やその他の事業所160社に拡大され、フリーマーケットの実行委員会には一般市民が参加するまでに定着してきてはいるものの、現時点では市域全体に十分評価されるには至っていない。広報活動や新たな貢献活動が求められる。 防府市の企業の取り組みと市民の環境創造に関する活動調査の結果をふまえ、宇部市と山口市における活動とを比較し、地域社会(コミュニティ)における企業(アソシエーション)の地域創造に対する活動の総括を行った。
|