1997 Fiscal Year Annual Research Report
日ア国際児をもつ在日アジア人母子の「スティグマ感」に関する実証的研究
Project/Area Number |
09610201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
松本 佑子 聖徳大学, 人文学部, 教授 (00150839)
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Keywords | 在日外国人 / 国際結婚 / 国際児 / 偏見 / スティグマ |
Research Abstract |
本研究の目的は日本男性との子どもをもつ在日アジア人母子の生活実態と母親の意識を明らかにし、国際児とその母親に関するスティグマならびに母と子の社会的不利や諸問題を実証的に究明することである。平成9年度は国際結婚率の多い埼玉県、茨城県、静岡県を中心にアジア人女性の生活実態および諸問題に関して福祉行政機関ならびにアジア人女性への聞き取り調査を実施することにより、把握し、分析を行なった。1)埼玉、茨城、静岡各県の生活福祉部、婦人部相談所、婦人保護施設、福祉事務所、母子寮を訪問し、聞き取り調査および文献資料により各地区における在日外国人の生活状況ならびに福祉問題等の把握・認知を行なう。2)婦人保護施設および母子寮に入所しているアジア人女性への聞き取り調査により、彼女らの生活問題ならびに生活意識を把握・分析する。3)静岡県における在日外国人女性への支援サークルのメンバーならびに3県に在住しているアジア人女性への聞き取り調査を行なう。4)国際児の問題の把握のために沖縄県の生活福祉部、母子寮、国際福祉事務所等を訪問する。 以上の調査から在日外国人の生活保護のケースは僅かであるが漸増し、婦人保護施設や母子寮の利用者数も確実に増えていることが明らかとなる。また婦人保護施設も母子寮もフイリッピン女性が極めて多いのである。そしてこれら施設の措置理由は日本人夫の暴力・虐待やサラ金問題である。アジア人女性の聞き取り調査からは国際結婚の問題が極めて深刻に示されている。母子家庭にあってはビザの問題を含めて就職、住宅問題等での保証人の問題が大きい。子どもの養育に関しては大多数の母親が日本での生活を考えているが、“いじめ"の問題を危惧していることが把握された。在日外国人への支援に関しては3県では差があることが認知された。
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