1998 Fiscal Year Annual Research Report
映像表現、音声表現からみた高齢者のテレビニュースの理解に関する研究
Project/Area Number |
09610225
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Research Institution | Yonezawa Women's College of Yamagata Prefecture |
Principal Investigator |
香取 淳子 山形県立米沢女子短期大学, 社会情報学科, 助教授 (90269259)
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Keywords | ニュース / 高齢者 / 音声表現 / 映像表現 |
Research Abstract |
98年度当初の研究計画では、大量調査を実施し、97年度の聞き取り調査で得られた知見を検証する予定であった。そのつもりで97年度調査の分析を進め、大量調査のための手配も進めていたが、24人の高齢者への聞き取り調査のデータから即、大量調査の質問項目を引き出すよりはむしろ、この種のデータをもう少し蓄積してから臨んだ方が精度の高い研究ができると判断し、当初の予定を変更した。 そこで、98年度はまず、(1)97年度調査の前提として渉猟した種々の文献などから、「高齢視聴者研究としての利用と満足研究」(『山形県立米沢女子短期大学紀要33号』に発表)、「老いとテレビ文化」(『山形県立米沢女子短期大学生活文化研究所報告26号』に発表)の2論文を執筆。これによって、視聴者研究としてのスタンスを明確にすることができたし、高齢視聴者研究としての問題点も掌握することができた。さらに98年7月から9月にかけて、秋田、青森、岩手、山形の9名の高齢者に再度、聞き取り調査を実施し、すべてビデオに収録した。97年度調査で得られたものとほとんど変わらなかったが、異なる知見は以下の通りである。 (1)独居の高齢者にとってはドラマもバラエティもニュースとして機能している。 以上、今年度の調査結果からは新たに、高齢者の生活を支える情報はニュース番組や情報番組からだけ提供されているわけではないことが判明した。また、本年度調査からも97年度と同様、ニュースにはなによりも見やすさ、聞きやすさが求められており、高齢者にとってはわかりやすいニュースのための映像表現、音声表現の工夫が不可避であることが判明した。今後、ビデオに収録した33サンプルのデータをメディア特性を視野に入れて分析し、より有効な方法で研究成果を発表する。
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