• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1997 Fiscal Year Annual Research Report

日米戦争と日系人:市民権の放棄、「剥奪」、回復をめぐるアイデンティティの模索

Research Project

Project/Area Number 09610226
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKeiai University

Principal Investigator

村川 庸子  敬愛大学, 国際学部, 助教授 (00174285)

Keywords日系アメリカ人 / 日米戦争 / 市民権放棄 / アイデンティティ / ライフヒストリー
Research Abstract

「歴史」は通常「成功者」の側から語られる。日系アメリカ人の歴史もまた、戦時中の苦難を乗り越え、アメリカ社会への「同化」、「成功」を果たした人々を基準として編まれてきた。本研究で対象とする人々、即ち、第二次大戦中や占領期にアメリカの市民権を自ら放棄したり、意図せず失った「二世」(日本国籍取得、日本軍に従軍、戦後日本で選挙権を行使)はいわばその基準から外れた人々であり、アメリカ政府や日系社会の冷たい目に加え、永く研究者からも切り捨てられてきた。
先行研究や、戦時転住局、国務省、米陸軍、司法省関係資料は、本研究開始前に概ね目を通していた。本年度は、鶴嶺湖収容所入所者名簿(約3万人)、戦後送還船乗船者名簿(約8千人)など個人資料のデータベース化、戦後行われた市民権回復の集団・個人訴訟関係資料の整理と分析、GHQ関係資料の収集などを中心に行った。後半はこれら収集した資料などを頼りに、当事者への接触、面接の道を探ってきた。
個人レベルの情報が集まり、具体的なイメージが形成される一方で、戦後の訴訟を通して一部の人々がスケープゴ-ト化されていく過程が見えてきた。彼らは何故、再び「アメリカ」を選択したのか。アメリカという国は、何をその構成員としての受容・拒否の条件としたのか。また、戦後のGHQの日本の人口・経済政策の中で彼らの存在はどのように位置づけられていたのか、といった問題が少しずつ明らかになってきた。
面接調査の作業は予想以上に難航している。日本や日本軍への協力がアメリカに対する「反逆」と捉えられるのではないかという恐れから肝心な部分の話が聞けない、といった問題がクリア出来ないでいる。数少ない事例を大切に扱うこと、また当事者の高齢化が進んでいることから、当面結果の公表は見合わせるという条件ででも、ライフヒストリーの集積を急ぐべきであろうと考えている。現在、資料集の作成を進めつつある。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi