1998 Fiscal Year Annual Research Report
植民地支配下台湾・朝鮮におけるイギリス・アメリカ・カナダ長老教会の伝道と教育
Project/Area Number |
09610245
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
駒込 武 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 助教授 (80221977)
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Keywords | ミッション / イギリス / 中国 / 日本 / 台湾 / 教育 / 宗教 / 植民地 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続いて台湾におけるイングランド長老教会の宣教事業に焦点をあてて研究を行った。研究内容は主に大きく3つの領域に分かれる。 1. 得に本年度の研究において中心的に取り上げたのは1930年代の神社参拝問題であり、イングランド長老教会の経営する台南長老教中学が日本統治下の台湾においてどのような台湾人の教育要求に基づいて拡張し、総督府による神社参拝への要求にどのように対応したのかを明らかにした。特に日本および台湾で次のような各種の資料を収集・整理した。 (1) 台南長老教中学の後身である長榮中学の学校文書 (2) 「台南長老教中学 校友会雑誌」 (3) 「台湾日々新報」「台南新報」誌上の関連記事 これらの作業を通じて、神社参拝問題が起こった要因、問題の経緯、その影響について明らかにすることができた。残念ながら、今年度中に研究成果を公表することはできなかったが、すでに調査を終了しているので、次年度中には活字化できる予定である。 2. 1910年代前半における台湾先住民族征服戦争とキリスト教のミッションおよび日本の仏教教団(本願寺本願寺派及び曹洞宗)の布教に関する基礎的な資料を収集しつつある。特に本願寺派の「中外日報」や「教会一覧」を検討することにより、本願寺派の台湾布教に関する動向を把握することができた。次年度は、仏教教団の布教と本研究の主眼であるミッションの布教との関係についての論文をまとめる予定である。 3. 次年度の研究のための基礎的な作業として、アメリカ長老教会の朝鮮宣教事業に関する資料・先行研究の収集・整理に努めた。
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