1997 Fiscal Year Annual Research Report
重複障害が加齢と共に進行する児童の療育システムの開発と学校生活の質的向上の試み
Project/Area Number |
09610248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
三牧 孝至 岐阜大学, 教育学部, 教授 (40116108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
別府 哲 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (20209208)
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Keywords | 色素性乾皮症 / 学校教育 / 精神遅滞 / 日光過敏性皮膚炎 / 神経症状 / 早期療育 |
Research Abstract |
A群色素性乾皮症は、小児期早期より発症する重篤な日光過敏性皮膚炎に加え、加齢と共に進行する神経症状を伴う。学童期にはいると小頭症、聴力障害、視力障害、対光反射の遅延低身長が進行し、10歳以降になると、言語障害、歩行障害、肢指の振戦、失調、下肢の変形が出現する。15歳頃から歩行不能となり、車椅子の生活に入り、20歳前後で寝たきりとなる。 平成9年度は平成8年に小学校特殊学級に入学した男児、平成9年に通常学級に入学した男児、および保育園で統合保育を受けている男児のA群色素性乾皮症3人の児童に対して、1)学習能力、2)運動機能、3)言語・聴覚・視覚、4)基本的生活習慣の会得、5)情緒・心理・対人関係、の面から分析・把握し、小児神経学的知見をふまえて問題点の解決策を見出し、患児の教育環境の充実と、能力の開発法を検討した。その結果、以下の知見を得た。 1.知能発達は6歳時点で3歳以下であった。 2.聴力障害は従来の知見よりも早期(5歳頃)に出現する。 3.運動障害は患児の活動性が高い程、進行が防止出来、リハビリの一環に組入れられる。 4.幼児期早期から特別に配慮した統合保育を開始するほうが、神経症状の進行防止効果があり、小学校入学後の指導も充実させる結果となる。 以上の知見をまとめ、平成9年度の日本特殊教育学会(1997年9月、熊本)で報告し、スェ-デンのルンド大学で研究発表(1997年12月)し、論文に著述した。
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