1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本とアメリカにおける学校指導着層の養成・研修施策の比較研究
Project/Area Number |
09610256
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Research Institution | NARA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
八尾坂 修 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (20157952)
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Keywords | 学校経営関連講座 / 管理職免許 / 管理職養成 / 更新・上進制 / 管理職研修 / 中堅層教員研修 / 仕用前研修 / リーダーシップ |
Research Abstract |
1. わが国の場合、教育委員会・教育センター所管の研修が主導であった。大学院における中間指導者を主にした管理職養成的プログラムの開発によって、指導組織・運営面からの大学と教育委員会における協働関係が重要となってくる。この点、東京都における任用前研修は今後のあり方を考える上で示唆を得る。また、オープンな受験制度が確立されている場合は、任用前研修の充実を図ってもよいのではないだろうか。管理職になってからの職務の多忙を考えてみても肝要である。 2. アメリカ対象の研究として、校長職(学校管理職、school administrator)の免許・養成・研修制度を考察した。また一般教育の免許状更新・上進制、教育長の免許制度を資格要件の比較の視点から検討した。例えば、アメリカでは、すべての州が最初の校長免許状の取得として実質的に修士号あるいはそれ以上の専門教育を要求している。しかも校種によってこれらの要件が異なることはほとんどない。また修士号取得との関連にかかわりなく、教育行政・学校経営にかかわるコースを大学のカリキュラムで必修としている州が多くみられる。わが国でも研修休暇、休職制度の導入、従来の研究者養成大学院を含む全国的なレベルでの教育系大学院への入学の弾力化(パートタイム学生の受け入れ)、カリキュラムの弾力化(夕方・夜間講座)等を積極的に行う必要がある。実践的キャリアを十分に備え、しかも高度の研究能力を有した人材が、大学、研究機関に就くのがアメリカの特徴だからである。
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[Publications] 八尾坂 修: "アメリカにおける教師教育資格認定の歴史的推移と今日的方向" 奈良教育大学紀要. 46巻1号. 219-236 (1997)
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[Publications] 八尾坂 修: "教育センター等における主任層・中堅層教員に対する学校経営関連研修の実態と課題" 季刊教育法. 115号. 43-51 (1998)
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[Publications] 八尾坂 修: "アメリカにおける学校管理養成制度化の可能性と課題" 季刊教育法. 115号. 98-107 (1998)
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[Publications] 八尾坂 修: "アメリカの中等教育段階における教員免許状の特色" 『教職研修』. 26巻10,11号. 107-111 (1998)
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[Publications] 八尾坂 修: "学校経営改善を進める学校評価票の活用" 奈良教育大学教育実践研究指導センター研究紀要. 7号. 11-22 (1998)
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[Publications] 八尾坂 修: "アメリカにおける学級編制研究の推移と州政策の方向" 教育学研究. 66巻1号. 78-82 (1999)
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[Publications] 八尾坂 修: "アメリカ合衆国教員免許制度の研究" 風間書房, 400 (1998)