1998 Fiscal Year Annual Research Report
フランスの中等教育における進路指導と教育課程に関する研究-コース間転科を可能にする教育課程の編成を中心に-
Project/Area Number |
09610267
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
田崎 徳友 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (10091224)
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Keywords | フランス / 中等教育 / 進路指導 / 教育課程 / コース間転科 |
Research Abstract |
平成10年度の研究実施計画にしたがってつぎのような準備と研究を進めた。 1. 当初の研究計画で予定していたように、研究の必要性や妥当性等についてフランスの研究者からレビューを受けるために、1998年7月8日から16日の6日間、パリを訪れた。滞在中、国立職業指導研究センター(INETOP)の所長のギシャール教授(心理学)、ユトー教授(教育社会学)等から、この研究の必要性と妥当性について論議し、また研究に関する多くの示唆を得ることができた。 2. 生徒の進路指導の制度化と実践をとおして教育および教育制度の民主化を主張してきたルイ・ルグラン教授(国立教育研究所INRP元研究部長)からも同様の示唆を受けることができた。このようなレビューは、パリ第5大学のラングエット教授(教育社会学)、中等教育進路指導専門員のローシュ氏、国立職業・進学進路情報センター(ONISEP)のルフール女史などからも受け、研究上きわめて有意義であった。 3. 国立職業指導研究所、国立教育研究所、国立職業・進学進路情報センター、文部省教育統計・予測局等において貴重な文献および統計資料を入手することができた。 4. このような文献や統計資料の分析を行い、中等教育における生徒の進路を図表化する試みを行った。 5. フランスにおいてコース間転科を可能にしているのは、子どもの能力観である。それは、子どもの適性・能力は固定してなく、たえず変化しているという考えである。これは、我が国と異なる点であり、このことについて日本とフランスの比較を行い、その検討の結果をフランスの教育専門誌の一つである「カイエ・ペダゴジック」(Cahiers Pedagogiques)の1999年5月号に掲載する予定になっている。
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Research Products
(1 results)