1998 Fiscal Year Annual Research Report
生涯学習社会と生徒減少期における政令都市立学校の在り方に関する調査的研究
Project/Area Number |
09610278
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
平原 春好 工学院大学, 工学部, 教授 (10012551)
|
Keywords | 政令指定都市 / 中核市 / 生涯学習社会 / 少子社会 / 市立高等学校 / 市立幼稚園 / 学校改革 / 教育権限の地方委譲 |
Research Abstract |
1. 本年度は前年度に引続き、生涯学習社会と少子社会の到来のなかにおける、政令都市の学校教育、社会・生涯教育のこれまでの施策と今後の対応の方向、市立学校(具体的には高校と幼稚園)の現状と今後の対応の在り方、および、地方分権の方向の中での政令都市・中核市の教育権限の在り方などについての調査研究を行った。名古屋、京都、大阪、神戸の各政令都市と姫路、高知、熊本の各中核市については直接訪問し、聞取り調査を行い関係資料を収集し、その他の関係都市については各種文献・資料等を通じて必要な情報を収集した。 2. 学校教育と社会・生涯教育に関するこれまでの施策と今後の方向や、市立学校の現状とこれからの在り方などは、各市の歴史的事情や教育への取組み方の伝統、財政状況その他により多様であり、要約することはできない。それらの具体的実情は、政令都市においても中核市においても、異なるところが少なくなかった。 3. ただ、全体としては、現在市立の高校と幼稚園に関する改革はすすめられている。高校に関するもっとも大きな動きは、特色ある学校・学科の設置または設置の検討である。少数しかない市立高校間の人事交流や研修など懸案事項の解決は残されている。幼稚園に関しては、少子化と保育年限延長計画の中で、私立との調整を図りながら市立縮小の方向も模索されている。 4. 政令都市・中核市の教育権限の在り方に関しては、国または都道府県からの権限委譲を強く望む雰囲気は必ずしも支配的ではなかった。その理由は、権限の拡大にともなう市財源の拡充がないことにある。中核市で比較的要望が多かったのは、「小・中学校の教科書の採択」と「教育長の任命承認にかかる権限の委譲」であった。
|