1998 Fiscal Year Annual Research Report
異文化接触が及ぼす影響に関する研究-社会人となった海外・帰国子女の視点から-
Project/Area Number |
09610280
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
國枝 マリ 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (00205105)
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Keywords | 海外・帰国子女教育 / 帰国生 / 異文化体験 |
Research Abstract |
海外・帰国子女の問題はある意味で一段落したと言われるが、最近では、以前の帰国生が成人し、社会人として日本の国内・外で職業をもつなかで、人との「違い」をそのまま抱えていることは新たな現実として受け止めなければならない。そこで、本研究では、 1 海外での教育経験を経て社会人となった人々がその経験を現時点でどう捉えているか 2 帰国して日本の教育機関にはいった経験を社会人となった現時点でどう捉えているか 3 彼らが社会人としてもっている価値観・友人関係の特性はなにか という諸点を解明するために、昨年度は主に1980年前後にニューヨークで調査を行なった当時、現地で出会った児童・生徒・学生で現在社会人として活躍している人々に対してアンケート調査、ならびに面接を行なった。今年度はそれをさらに発展させて以下の方法で研究をすすめた。 1 さらに広範囲に対象を広げるため、フレンズの会、および海外子女教育センターで情報を収集し、帰国者を特定した。 2 上記の人たちにアンケート調査票を送付し、現況の概略を把握することに努めた。 3 上記の人たちのうち都合のつく人にインタビューを行うことにより、現時点で考える海外でうけた教育・異文化体験ならびにその影響をどう考えているか聴取した。 4 以上の調査によって得られた資料ならびに、昨年の調査から得られた資料の整理・分析を開始した。 これにより、従来論じられてきた海外・帰国子女と異なった視点でさらに研究をすすめる意義を確認した。来年度以降は、昨年度ならびに本年度の資料分析を継続するとともに、さらに、総合的視野から研究をすすめたい。
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