1997 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害を持つ高齢者のQOLの概念と評価に関する研究
Project/Area Number |
09610283
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
三谷 嘉明 北陸大学, 法学部, 教授 (80014760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 健 群馬大学, 教育学部, 助教授 (20173552)
初谷 良彦 北陸大学, 法学部, 教授 (20208531)
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Keywords | 知的障害 / 高齢者 / QOL / 評価法 / 測定尺度 / 面接 |
Research Abstract |
知的障害を持つ高齢者を対象にしたQOL評価法を確立するために,以下の3点について資料収集と分析を行った. (1)知的障害者・高齢者のQOL測定尺度の検討:知的障害を持つ人や施設入所高齢者などを対象にこれまで開発されてきたQOL評価法について資料収集し,QOLの概念化,尺度等の構成内容を比較検討した.ほとんどの評価法には,健康状態及び心身機能水準に関する調査項目,社会的活動および社会活動への参加度に関する調査項目,および主観的安寧度に関する自己評定式の質問項目が含まれている.特に,最後の主観的評価を求めるための質問では,回答者の能力を考慮したさまざまな回答方法が考案されており,知的障害を持つ高齢者向きに応用できるものが少なくない. (2)知的障害を持つ高齢者のためのQOL尺度試作:上記(1)の結果にもとづいて,知的障害を持つ高齢者のためのQOL尺度が試作された.内容は,生活満足度(領域別・全体),健康状態についての自覚,ム-ド・基本的生活感情,意欲・思考・対人面での活動性に関する自己評定式の質問から成る.質問内容の整理と回答方法の工夫のため,基礎資料を収集中である. (3)知的障害を持つ高齢者に対する面接調査:長期間にわたって施設入所している高齢知的障害者を対象に面接調査を実施した.面接での質問内容は施設内での生活における活動,行事への参加度,およびそれらに対する満足度など,主観的な安寧に関わる点に焦点が当てられた.その結果,信頼性の高い情報を得るための方法として,面接法は一定の有効性を持つことが明らかにされた.半構造化面接を実施するための面接マニュアルが作成された.
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