1998 Fiscal Year Annual Research Report
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09610292
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Research Institution | SEINAN JO GAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷川 弘治 西南女学院大学, 保健福祉学部, 助教授 (80279364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒松 仁子 国立療養所東京病院付属看護学校, 副学校長 (20195853)
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Keywords | 小児がん / 教育指導 / 教育相談 / 病弱教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は小児がん患児の教育実践マニュアルを作成することであった。第1年次より、(1)小児がん患児の保護者ならびに担任教師に対する調査を実施し、(2)調査結果と教育実践マニュアル素案を関係医療機関保護者会等で公開、説明し、意見聴取に努めてきた。平成10年度も引き続き、死亡事例の保護者に対する面接調査を実施し、学会等での意見交換を重視した。 データ収集の結果、特に注目されたことは、 (1) 学校(地域の学校と院内学級等)の援助的機能への患児と家族の期待は大きく、実際の援助効果も小さくないが、その機能を確保する社会的基盤が脆弱であること、 (2) 患児と保護者の学校への期待は身体、精神、社会関係などの諸側面に関して存在するが、1つの配慮事項について存在しうるヴァリエーションも無視できないこと、 (3) 患児、保護者と教師ならびに医療スタッフのコミュニケーションのあり方が教育実践の要となること、 (4) 小児がん患児と家族のプライバシー保護と自己決定の尊重が強調されなければならないこと、 などであった。 以上を踏まえ、教師が単独で使用する「マニュアル」ではなく、保護者(可能であれば患児)がその意志に基づき利用し、患児と保護者、教師、医療スタッフ間のコミュニケーションが深まることに重点化した「パンフレット」を作成することとした。 パンフレットの作成にあたっては、小児がんの臨床に携わる医師、看護婦、教員ならびに研究者、計17名による作成委員会を設けた。作成委員会は2回行い、パンフレットの委員会案に対しては、委員以外の臨床医や保護者からも意見を求めた。パンフレットは本体55ページで連絡ノートを添付した。パンフレットは、調査や意見聴取に協力を得られた医師、保護者に加え、小児がんの治療を行う全国の医療機関に無料で配布した。今後、使用経験の把握を行い、パンフレットの意義を検証する。また、ターミナル期のパンフレットは別途作成する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 塙 嘉之: "Rsport of the International Meeting of the International Confederation of childhood Cancer Parent Drgauigation and of the 3rd International Meetings of Children's Cancer Association of Japan" 小児がん親の会国際連盟・(財)がんの子供を守る会, 273 (1999)
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[Publications] 谷川 弘治: "小児がんの子どもの学校生活を支えるために" 谷川 弘治, 55 (1999)