1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610310
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
成澤 勝 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00180539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 春二 国学院短期大学, 国文科, 専任講師 (30289714)
丸山 宏 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (00229626)
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Keywords | 身体の表象 / 社会の表象 / 朝鮮仮面 / 道教儀礼 / 死者の身体イメージ / 儀礼空間 / 供物 / 犠牲 |
Research Abstract |
本研究は、東アジア文化圏における身体と社会の表象について、特に儀礼と芸能の領域において現れる身体の多義的な意味を社会的な文脈から総合的に解明しようとする試みである。本年度は2年計画の第一年目として、研究組織への参加者がそれぞれに個別の課題について調査と研究を進めた。研究代表者の成澤勝は、朝鮮仮面のみならず、中国東北地区からチベットにかけての広範な地域の戯劇に使われる仮面の形態について、画像資料を含めてデータの整理と分析を行い、それらの共通性と差異性を明らかにした。研究分担者の丸山宏は、台湾の道教儀礼における死者の身体の変容について、儀礼文献の解読と儀礼に使用される魂身(人形)の投割りの解明に取り組んだ。さらに、中国西南の納西族、彝族の儀礼における死者の身体イメージを、漢族のものと比較し共通性を見いだしている。研究分担者の浅野春二は下記にあるように口頭発表を行い、台湾における道教儀礼の各種の儀礼空間でささげられる犠牲や供物の種類を詳細に提示し、それらの分類体系の問題点と背後にある観念を解明しようと試みた。 本年度の具体的活動として、平成9年6月15日と平成10年1月26日の二度にわたり、専門家をによる講演もまじえて、共同研究会を開催した。関連する発表者と演題は次の通りである。田中通彦(筑波大学)「清・朝鮮関係と文化」、浅野春二(国学院短大)「道教儀礼と供物」、田仲一成(東京大学名誉教授、金沢大学)「中国の儀礼・芸能における仮面」、徐大錫(東京大学客員教授、ソウル大学)「パンソリにおける身体表現・言語表現」。各報告のあと、合同討論を行い大きな成果をあげることができた。以上の諸成果は、来年度における総合報告および論文の作成で十分に活かし得ると考える。
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