1999 Fiscal Year Annual Research Report
民族学的情報伝達装置としての博物館の意義に関する基礎的研究(アイヌ文化展示を中心に)
Project/Area Number |
09610322
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Research Institution | History Museum of Hokkaido |
Principal Investigator |
出利葉 浩司 北海道開拓記念館, 事業部, 展示課長 (40142088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 亨 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (80292308)
山田 伸一 北海道開拓記念館, 事業部・学芸員 (30291909)
手塚 薫 北海道開拓記念館, 学芸部, 学芸員 (40222145)
矢口 祐人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00271700)
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Keywords | 民族学的情報 / 情報伝達 / 博物館 / 展示 / アイヌ文化 / 民族資料コレクション |
Research Abstract |
本研究は,研究者が民族学的情報を他者,とくに一般へ伝達する手段としての博物館の機能に注目し,民族学的情報伝達装置としての博物館の意義をいくつかの角度から再検討することを目的としている。 1 展示分析。今年度は,北海道立の歴史博物館である北海道開拓記念館のアイヌ展示部分を分析した。研究は二つあり,その一つは,展示企画者(研究者)の,どのような意図で展示が構成され,資料が選定され,それにどのような論理でもって解説が付されているのか。(出利葉浩司)もう一つは,来館者は,展示をどのようにながめ,それをどのように理解ているのかということを,実際に展示場でのアンケート調査などをおこなうことにより,分析した。(佐々木亨) 2 歴史的研究。開道50年記念博覧会におけるアイヌ資料展示が,どのような意図でおこなわれ,どのような資料が展示されていたのか。また,そこでの展示資料が,組織的に,どのように引き継がれていったのかということを研究した。(山田伸一) 3 博物館展示研究。アメリカ合衆国における,歴史博物館の文化的意義について,ハワイ日系移民史が当地の博物館でどのように表象されているかを分析,さらに,アメリカにおける今日の博物館研究のながれのなかれを紹介した。(矢口祐人) 以上は,それぞれが研究論文として発表している。(裏面11.研究発表を参照) また,コレクション研究の基礎作業として,ドイツライプチヒ民族学博物館のアイヌ資料写真およびデータを複写した。
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[Publications] 出利葉浩司: "博物館展示はなにを伝達するのだろうか?"北海道開拓記念館研究紀要. 28号. 61-80 (2000)
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[Publications] 出利葉浩司: "「白布切抜文衣の誕生」再考-アメリカ合衆国東部にある博物館の資料を中心に-"北海道開拓記念館研究紀要. 28号. 81-98 (2000)
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[Publications] 山田伸一: "拓殖館のアイヌ民族資料についての覚書"北海道開拓記念館研究紀要. 28号. 181-200 (2000)
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[Publications] 矢口祐人: "弁当からミックス・ランチへ 博物館とハワイ日系移民史の表象"地域研究論集. Vol.3 No.1. 59-73 (2000)
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[Publications] 佐々木亨: "博物館民族学とアイヌ民族文化展示の評価の考え方"東北アジア研究. 4. (2000)