1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610325
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
入間田 宣夫 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (40004048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎森 進 東北学院大学, 文学部, 教授 (10145972)
七海 雅人 東北大学, 東北アジア研究センター, 研究機関研究員
佐々木 亨 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (80292308)
平川 新 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (90142900)
吉田 忠 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (60004058)
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Keywords | 蝦夷地 / 凾(箱)館奉行 / 御庭番 / レザノフ / 杉浦兵庫頭 / 韃靼漂流記 / 狩野文庫 / 函府人名録 |
Research Abstract |
今年度は、研究計画の2年目にあたる。前年度に引き続いて、東北大学附属図書館に入り、狩野文庫・別置貴重書の大部分の調査を終えることができた。この間に、800枚に及ぶ史料カードを作成することができた。 新たに発見された注目すべき史料としては、「文化元子年十一月梶野秀名とひそかに蒙仰崎陽にいたる記」がある。ロシア使節レザノフの宿所(長崎市内)の探索を命ぜられた幕府御庭番古坂逵博による道中記である。貴重な情報に溢れた原本である。「東西蝦夷地引渡御用留」は、箱館奉行所組頭の保持していた書類綴(ファイル)である。1860年東北諸藩への蝦夷地分割引渡に関連する貴重な情報、なかでも支配領域の境界確定をめぐる現地に即した興味深い情報が含まれている。箱館産物会所に関連する史料(「手控」の表題がある横帳3冊)、「韃靼漂流記」の写本群なども注目される。 昨年度に発見された「杉浦兵庫頭書留」「函府人名録」については、国文学研究資料館・東京大学史料編纂所などにおける関連調査によって、その貴重史料としての価値を吟味(比較・検討)することができた。七海雅人「東北大学附属図書館所蔵箱館奉行関係史料二題」(裏面参照)に、その成果の一端を速報している。 これまでの調査によって、北方交流史料に関する日本有数のコレクションの姿が浮かび上がってきた。来年(計画の最終年度)には、残りの史料(古地図類・開拓使関連資料など)に当たりつつ、関連施設の調査による貴重史料の吟味を進めながら、史料カードの完備を目指すことにしたい。あわせて史料目録の公刊を目指すことにしたい。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 入間田宣夫: "中世奥羽における日本紀享受-津軽安東の系譜について-" 国文学解釈と鑑賞<至文堂>. 64巻,3号. 99-106 (1999)
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[Publications] 平川 新: "歴史にみるロシアと日本の出会い-日本の漂流民とロシアの対応-" 東北アジア研究. 2号. 199-210 (1998)
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[Publications] 佐々木 享: "公設民営博物館の実態と運営に関する考察" 文化経済学. 1, 2. 81-86 (1998)
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[Publications] 七海雅人: "東北大学附属図書館所蔵箱館奉行関係史料二題" 木這子(東北大学附属図書館報). 23, 2. 1-4 (1998)
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[Publications] 榎森 進: "近代日本と北海道のアイヌ民族" 永井秀夫編『近代日本と北海道』(河北書房新社). 382-399 (1998)
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[Publications] 榎森 進: "近世前期における北奥の狩猟" 東北学院大学・史学科編『歴史のなかの東北』(同上社). 20-30 (1998)
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[Publications] 入間田宣夫: "中世武士団の自己認識" 三弥井書店, 318 (1998)
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[Publications] 入間田宣夫: "葛西氏の研究<編著>" 名著出版, 468 (1998)