1999 Fiscal Year Annual Research Report
宮都空間の歴史的変遷を通じてみた*日本古代後宮制度の基礎的研究
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09610336
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
橋本 義則 山口大学, 人文学部, 教授 (60164802)
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Keywords | 宮都 / 内裏 / 後宮 / 女官 / 女性 / 空間 |
Research Abstract |
本年度は科学研究費補助金交付の三年度目に当たり、これまでの成果を受け、引き続いて本研究推進のための基礎的作業を行った。 まず本年度の前半(5月6日〜10月5日)は、文部省内地研究員として東京大学大学院人文系研究科に藉を置き、平安宮の空間構造とその変遷に関する基礎的な研究に携わったが、この研究は宮都の空間構造の史的変遷を解明するための一連の研究の一環として女官の奉仕形態を取り上げた本研究とも内容的に密接な関連をもつテーマであり、また特に本研究に必須な基礎的史料の収集と調査も、国立公文書館内閣文庫・東京大学史料編纂所・前田育徳会尊経閣文庫などにおいて内地研究と併せ行った。 また本年度後半は、昨年度までと同様に、藤原・平城・長岡・平安などの諸宮の遺跡における最新の調査成果を把握するため、奈良国立文化財研究所・向日市・京都市などで資料の収集を縦続して行い、さらにこれまで収取した史料を簡易なデー夕・ベースとして作成する作業も継続して行った。 以上、本年度は、史料の書誌的調査を中心に史料・資料の収集と整理を行い、あわせて研究文献も収集もした。その過程で本研究における宮都をめぐる空間研究の一環として、また国際日本文化研究センターの共同研究「公家と武家」での研究成果として「古代貴族の営墓と「家」」を公表した。また奈良国立文化財研究所の『研究論集』XIにも「「藤原京」造営考-「藤原京」造営史料とその京号に関する再検討-」と題する関連論文を執筆した。
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