1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610340
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
八百 啓介 北九州大学, 文学部, 助教授 (20212269)
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Keywords | 出島 / オランダ商館 / 砂糖 / 抜荷 / 長崎貿易 / 銅 |
Research Abstract |
1.1772年から1789年までの出島オランダ商館の仕訳帳・元帳についてマイクロリーダーを使って分析し、輸入品総仕入高・輸入品総売上高・諸経費・輸出品仕入高・輸出品積出高、主要商品の数量・価格・利益率についての基礎的データを集計した。 2.東京大学史料編纂所所蔵のオランダ商館文書のマイクロフィルムについて、1790年から1809年までの仕訳帳・元帳の撮影と焼き付けとを行い、輸入品総仕入高・輸入品総売上高・諸経費・輸出品仕入高・輸出品積立高、主要商品の数量・価格・利益率についての基礎的データを集計した。また1818年から1828年までのコンパニヤ荷物・脇荷物それぞれの物品出納簿・当座勘定簿の複写を行い、仕訳帳・元帳の二帳簿制と物品出納簿・当座勘定簿の二帳簿制との比較、および物品出納簿と当座勘定簿との間の比較を行った。 長崎県立図書館所蔵の史料から18世紀から19世紀までの長崎奉行より町乙名への書付、および輸入砂糖関係資料の調査・撮影を行った。これにより18世紀後半の長崎貿易における正規の取引以外の商品の流通形態としての盈物砂糖と抜荷についての史料を収集した。とりわけ従来は都市史の視点から取上げられていた盈物砂糖の流通と統制を貿易史の視点から、天明期以後の抜荷に対する取り締まりの推移とともに明らかとし、論文(投稿中)にまとめた。 4.東京大学史料編纂所所蔵のオランダ商館文書のマイクロフィルムについて、1770年から1780年代にかけての出島オランダ商館の帳簿・日記・書簡を調査し、盈物・抜荷に関する史料を収集した。
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